Project/Area Number |
61223003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
中平 靖弘 電通大, 電気通信学部, 教授 (90004332)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | ポリシラン / ジシアノアントラセン / ケイ素-ケイ素結合 / 光誘起電子移動反応 / 有機光化学反応 / 塩素化開裂 / 有機ケイ素化合物 |
Research Abstract |
ケイ素-ケイ素シグマ結合は大きな電子供与能を有する。この特徴に注目して、研究例の末だ殆んどないポリシラン類の光誘起電子移動反応を研究した。本研究ではこの種の反応機構、反応性を支配する因子を明らかにすることを目的とした。このような高選択的なケイ素-ケイ素結合開裂反応の開発は有機ケイ素化合物の合成と云った学術的な面のみならず、ポリシラン類の材料としての用途開発と云った実用的な面からも重要である。 シクロヘキサシランを電子受容体(ジシアノアントラセン,DCA)存在下,塩化メチレン-四塩化炭素中で光照射するとケイ素-ケイ素結合がほぼ定量的に塩素化開裂を受けて対応するクロロシランをヘキサクロロエタンと共に与える。開裂反応はDCAなしには殆んど進行しない。電子受容体の蛍光消光実験および電子移動に関する自由エネルギー変化の計算から本反応がケイ素化合物を電子供与体とする光誘起電子移動反応であることを明確に示した。さらに、直鎖テトラシランについて本反応を試み開裂位置に選択性がありこの選択性が溶媒の極性の効果を受けることを見いだした。今後、反応の選択性を上げるべく塩効果,溶媒効果,さらに置換基効果を詳細に検討する予定にしている。また、同時にケイ素橋かけ分子の光化学反応に付いても研究し興味ある結果を得ている。この種の化合物は一般にイオン化ポテンシャルが低く良好な電子供与体となる。したがって、光誘起電子移動反応によってこれらの化合物からより温和な反応条件で反応活性種の発生が可能になることが期待される。
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