パラジウム触媒によるCO⊆と芳香族化合物よりカルボン酸の一段階合成法の開発
Project/Area Number |
61225021
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤原 祐三 九大, 工学部, 助教授 (10029481)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 宏 九州大学, 工学部, 教授 (10037715)
|
Project Period (FY) |
1986
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | パラジウム触媒 / C-H結合の活性化 / 二酸化炭素を用いるカルボン酸合成 / β-ナフトエ酸の選択的合成 / 酢酸パラジウム / 二酸化炭素の有効利用 / 安息香酸 / α-ナフトエ酸 |
Research Abstract |
本研究によりパラジウム触媒を用いてベンゼン,ナフタレン等の芳香族C-H結合を直接活性化し、これに【CO_2】やCOを反応させることにより、安息香酸及びβ-ナフトエ酸を一段階で合成する新反応を開発することができた。 1.安息香酸の合成 常圧の【CO_2】とベンゼンをPd【(acac)_2】/t-BuOOH/P【Ph_3】系触媒を用いて80℃で72時間反応させると安息香酸が高収率で少量のビフェニル及びフェノールと共に得られた(選択率90%)。特に酸化剤のt-BuOOHを間隔をおいて添加すると収率の向上がみられ1300%(Pd基準)に達した。オートクレーブを用いて【CO_2】加圧系あるいは【CO_2】/【O_2】加圧系でも反応を試みたが収率の向上はみられなかった。次に酸化剤として添加しているt-BuOOHの反応挙動を検討した結果、反応開始2時間後にはt-BuOOHの約80%がパーエステルt-BuOOC(O)【CH_3】に変化し、このものは更に時間の経過とともに徐々に分解して【CO_2】,【CH_4】及び【0_2】を発生することが明らかになり、t-BuOOHはPdの再酸化剤として働くばかりでなく、【CO_2】源としても作用していることが判明した。本反応はベンゼンの他にもトルエン,ビフェニル,更にはチオフェンのような非ベンゼン系芳香族化合物にも適用できる一般性の高い新反応である。 2.β-ナフトエ酸の合成 Pd【(OAc)_2】/t-BuOOH系触媒で添加剤として1,10-フェナントロリンを用いナフタレンと常圧のCOを115℃で反応させると工業薬品として重要なβ-ナフトエ酸が選択的(選択率70〜98%)に得られ少量のα体が副生することをみいだした。反応系にフェナントロリンが存在しない場合はα体が選択的に生成する。本反応はPd触媒としてPd【(OAc)_2】,Pd【(acac)_2】の他,Pd黒,Pd-C等の不均一系触媒を用いても同様に進行する。以上の新反応は芳香族C-H結合の直接活性化を経る画期的な第三世代の合成反応である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)