NAD(P)H依存酸化還元酵素のシミュレーションとその応用
Project/Area Number |
61226006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大野 惇吉 京大, 化学研究所, 助教授 (70027077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 薫 京都大学, 化学研究所, 教務職員 (10101239)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | NAD(P)H / モデル化合物 / 微生物 / 立体制御 / 還元 / ケトン / 固定化 |
Research Abstract |
NAD(P)H依存酸化還元酵素のシュミレーション(1)および酵素を利用した不斉合成における立体制御(2)についての研究を行なった。(1)については炭素の不斉ならびに軸不斉を持つキラルなモデル補酵素を合成し、そのモデル化合物を用いて基質への不斉誘導ならびにモデル化合物での炭素の不斉と軸不斉の相互変換を研究した。基質によりモデルの炭素不斉から軸不斉への方向が変わり、基質の酸化還元電位等で関係づけられることがわかった。 (2)については微生物を用いた還元反応についての研究を行ない、ケトンを、必要とする方向に高い不斉収率で還元するような方法の開発につとめた。微生物によりケトンを還元する場合に得られたアルコールの不斉収率が良くない場合の理由として、a)酵素反応自身は100%の不斉収率で進行しているが、異なったエナンチオマーを与える複数の酵素が還元反応に関与するためその不斉収率が悪い場合、b)酵素反応それ自身が不斉収率の悪い場合、の2つの場合が考えられる。本年度の研究では特にa)の場合の立体制御について研究した。a)の場合は特定の酵素により還元が進行すれば不斉収率は上昇するはずであるので、環境を変えることにより立体制御が可能である。微生物の反応場を水系から他の系に変えると前記の可能性が出てくると考え、微生物を固定化することにより還元の方向を変化させることをねらった。実際、ケトエステル類においては固定化による立体制御に成功し、β-ケトエステルでは酵母を水中で反応させるとL体のアルコールを与える基質を、ポリウレタン等の疎水性の高分子で包括して固定化すると、D体の基質を不斉収率よく与えることがわかった。又、α-ケトエステルにおいて単なる固定化では立体制御が困難な場合も、反応系をヘキサンにすることにより立体制御が可能となった。有機溶媒を微生物反応に使用し得ると、基質の拡大等種々の利点があり、現在研究中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)