Project/Area Number |
61226011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
樋口 泰一 阪市大, 理学部, 助教授 (40046868)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 機能性素子 / 集積反応場 / 酵素類似機能 / シクロデキストリン / クラウンエーテル |
Research Abstract |
1.酵素類似機能をもつシクロデキストリン(CD)素子と他の機能性素子を集積して、それぞれ個別の素子が持たなかった新たな機能と構造の創造を、ことにイオンや親水基を捕捉する新集積反応場を目指して研究を行った。 2.修飾シクロデキスリンによる集積構造の研究: β-CDの触媒機能の向上を設計するための構造研究として、6位の水酸基1〜2個を各種の疎水基で置換した6つのβ-CD誘導体の分子および結晶の構造を精密に研究した。これらの分子はいずれもCD環がホスト、置換基がゲストとして働き、1つの分子でホストとゲストの両機能を同時に所有していることを見出した。すべての誘導体は結晶系が異っても共通して、或る分子のCD環の疎水性内孔に隣接分子の置換基を取り込み、その分子の内孔にさらに次の隣接分子の置換基を取り込む。こうして無限に、特定方向に、化合物により異なるらせん状の分子間包接が続いてカラム構造を形成している。か様な構造はこれ迄の無修飾CDの分子集合様式とは全く異なり、今后、置換基設計により一層機能を高めた集積反応場の可能性を研究する。 3.大環状複合素子(2重包接環)の集積反応場によるイオンの補捉: カチオン(【Li^+】,【K^+】)を12-クラウン-4に取り込ませ、得た錯体をγ-CDの内孔に包接させ【Li^+】包接体(1)と【K^+】包接体(2)を、また対照としてカチオンを含まぬ包接体(3)を作った。各結晶を作成し結晶構造を研究してこれらが2重環型包接体であることを決定した。γ-CD、クラウン、カチオンの構成比は3:3:1であった。(1)〜(3)ともに結晶内には3種の形の包接体分子(A,B,C)が含まれ、CD環はC軸方向に積重なっているが、カチオンはA,B間にのみ取り込まれている。その構造は各々異なり、3成分間の相互作用の差異を反映している。今后、カチオンや包接條件を変えて機能と構造の研究を進展させる。
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Report
(1 results)
Research Products
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