細胞表面の識別素子を利用したマイクロバイオセンサー
Project/Area Number |
61227010
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
松永 是 農工大, 工学部, 助教授 (10134834)
|
Project Period (FY) |
1986
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1986: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Keywords | サイクリックボルタメトリー / 4.4´-ビピリジル / 細胞表層の糖抗原 / PhoEポリン |
Research Abstract |
1.細胞から直接電気信号を得るための微小電極材料及び電極の化学修飾の検討を行った。まず、金,白金,H.P.G.(高純度分光分析用カーボン)B.P.G.(熱分解黒鉛)を作用極とし、細胞に対する応答をサイクリックボルタメトリーによって調べた。対極には白金線、参照極には飽和甘コウ電極を用いた。その結果、B.P.G.電極のみが細胞と電極との直接反応にともなう電流が得られ細胞検出用電極として適していることが明らかになった。また、B.P.G.電極を4.4´-ビピリジルで修飾することで、得られるピーク電流値が1.5〜2倍増加することも示された。 2.細胞表層の糖抗原を利用して抗体を測定することを検討した。実験には大腸菌(Escherichiacoli)K58抗原保有株【II】D561、非保有株C600を用いた。抗体の検出は菌懸濁液に抗大腸菌K58血清を加えた後、菌体をメンブランフィルター上に吸着固定したサイクリックボルタメトリーによって行った。大腸菌【II】D561のピーク電流値はK58抗体を加えると、1.00μAから0.65μAへ40%近く減少した。このようなピーク電流値の減少はK58抗原非保有株C600では全くおこらず、抗原-抗体反応が起った場合のみ電流値の減少が観察された。またピーク電流値の減少量と抗体濃度には比例関係が成り立ち、ピーク電流値の減少量から血清中の抗体量を測定できることが明らかになった。 3.PhoEポリンを含有するリン脂質二重膜で修飾した電極を作成し、リン酸化合物に対する応答性を比較検討した。大腸菌よりPhoEポリンを精製し、このPhoEポリン含有脂質で修飾したB.P.G.電極を用い、FMNのサイクリックボルタメトリーを行った。その結果、-0.48Vと-0.56V(VS SCE)に還元ピーク、-0.52V(VS SCE)に酸化ピークが観察され、リン酸基がないリボフラビンではピークは得られなかった。これらの結果よりPhoEポリン含有膜はリン酸化合物のみを選択的に透過することが示された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)