Project/Area Number |
61227020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
江頭 誠 長崎大, 工学部, 助教授 (60037934)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 酸化スズ / ウィスカ / 成長形態 / 表面構造 / 半導体ガスセンサ / ガス感度 / 検知機構 |
Research Abstract |
本研究では成長形態の異なる3種のSn【O_2】ウィスカを調製し、300〜700℃の温度範囲での【H_2】およびC【H_4】に対するガス感度と結晶面との関係を検討した。まず、検討した3種のウィスカの成長形態は次の通りであった。(1)成長方向が〔101〕のウィスカは断面が長方形のリボン状で、露出面は2つの発達した(101)面と2つの狭い(010)面であった。(101)面は滑らかであったが(010)面は比較的荒れていた。(2)成長方向が〔010〕のウィスカは結晶学的に等価な4つの{101}面が露出していた。しかし、平行四辺形状の断面はウィスカ軸に沿って均一ではなく、断面が変化する領域に多数のステップが存在していた。(3)成長方向が〔110〕のウィスカは断面が六角形または菱形の柱状ウィスカであり、露出面は4つの等価な{112}であった。これらに加えて2つの狭い{110}面が存在する場合もあった。また、表面には多数のステップが存在し、かなり荒れていた。次に、3種のウィスカのガス感度は次の様になった。〔101〕ウィスカは一般に400℃以上で【H_2】やC【H_4】に応答したが、その感度は2,3の例を除き他の〔010〕,〔110〕ウィスカより低かった。また、ウィスカの厚みとガス感度との間には明確な相関関係はなかった。〔101〕ウィスカと本質的に同じ露出面をもつ〔010〕ウィスカは高いガス感度を示した。また、これらと異なる露出面を有する〔110〕ウィスカも〔010〕ウィスカと同様に高いガス感度を示した。以上のように、Sn【O_2】ウィスカの結晶学的表面構造とガス感度との間には明確な相関関係はなく、むしろ、〔010〕および〔110〕ウィスカについて観察されたように、乱れた面あるいはステップをもつ面が存在する場合にガス感度が高くなることが判った。したがって、Sn【O_2】ウィスカのより高感度化のためには、表面の乱れを経時安定的に導入する表面処理法の探索が必要であると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)