Project/Area Number |
61228012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小林 泰夫 広島大, 生物生産学部, 教授 (10013319)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 枯草菌の胞子形成 / シグマ因子 / 胞子形成遺伝子spo【II】G / 挿入プラスミド / 翻訳減衰 / 膜蛋白質 |
Research Abstract |
枯草菌の胞子形成期に特異的に機能するシグマ因子【Ο^(29)】をコードしているspo【II】G遺伝子の上流及び下流の塩基配列を決定し、spo【II】Gオペロンの構造及び転写について以下の事を明らかにした。 1.spo【II】G遺伝子の上流に309個のアミノ酸からなる蛋白質をコードしうるオープンリーディングフレーム1(ORF1)、下流に260個のアミノ酸からなる蛋白質をコードしうるORF3を見出した。 2.挿入プラスミドによる遺伝学的解析から、「ORF1とspo【II】G」及び「ORF3」はそれぞれ独立の転写単位であること、またS1エンドヌクレアーゼによる生化学的解析から、ORF1の上流にP1,ORF3の上流にP3プロモーターがあることを示した。P1プロモーターからの転写は胞子形成開始2時間後(【T_2】)にはじまり4時間後(【T_4】)に終る。一方P3プロモーターからの転写は【T_4】からはじまる。3.ORF3のリボソーム結合部位は、ORF3の直前にあるstem and loop構造のstem部分にあるので、ORF3の発現は翻訳減衰をうけている可能性がある。併し、【T_4】からはじまるP3mRNAでは翻訳減衰はない。何故ならば、P3はstem and loop構造のループ部分に存在するので、合成されるmRNAはstemを形成出来ずリボソーム結合部位がオープンになるためである。 4.P3からのORF3mRNA合成は、胞子形成初期遺伝子(spoOA,spoOFなど)の変異株では見られないので、P1mRNA合成と同様に直接域いは間接的に、胞子形成初期遺伝子の支配を受けていると考えられる。 5.アミノ酸配列の解析から、ORF1産物はchemosensor類似の構造をもつ膜蛋白質、ORF3産物はシグマ因子に高いホモロジーをもつ蛋白質であると推定された。ORF3の欠失変異株は栄養増殖は正常であるが胞子形成は不能であった。このことはORF3産物が胞子形成中期に発現し、胞子形成に必須のシグマ因子である可能性を強く示唆する。
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