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¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
大脳皮質味覚野ニューロンの生後発達と初期経験の影響を調べる上で対照群となる正常成熟ラットの大脳皮質味覚野ニューロンの受容特性を調べた。 ウレタンで麻酔したSDラットを用いた。嗅裂直上で中大脳動脈前後の大脳皮質から、全口腔の四基本味の刺激に応答するニューロン65個を記録した。記録部位の組織学的再構築により、RoseのI野(か粒性島野),AI野(無か粒性島野),PC野(後中心野),PPY野(前梨状野),CL(前障)からそれぞれ53個,9個,1個,1個,1個記録できた。本実験結果はKosarら(1986)の味覚ニューロンはAI野に限局するという報告と相反する。【II】-【IV】層と【V】-【VI】層のニューロン間では、I野で応答量に大きな差はみられなかったが、AI野では【II】-【IV】層(実際は【IV】層を欠く)で大きい応答を示す傾向にあった。AI野の味覚ニューロンの特徴はHClに最も大きい応答を示すもの(HClベスト、6個)が多かったが、I野ではNaClベストが14個と最も多く、ショ糖ベスト11個,塩酸ベスト11個,キニーネベスト9個と続き、ベスト刺激に大きい偏りはみられなかった。2種以上の基本味に応答する多刺激型はAI野で1個,I野で7個みられた。AI野の味覚ニューロンは舌後部、軟口蓋に受容野をもつ傾向が高く、I野ニューロンは舌先部に限局した受容野をもつ傾向が高かった。多くの味覚ニューロンは機械刺激にも応答したが、機械刺激に対する口腔内の受容野の大きさは、皮質の尾部へいく程大きくなる傾向にあった。 固型飼料の水抽出物、【NH_4】Clに対する応答も少数例(28個と19個のニューロン)について調べた。四基本味に対する応答よりも、これらの刺激に対する応答が大きいものが数個みいだされた。飼料、【NH_4】Clに対する応答と四基本味に対する応答間に著明な相関はみられなかった。
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