Project/Area Number |
61231031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
大森 治紀 岡崎共研機, その他, 教授 (30126015)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 有毛細胞 / 周波数応答特性 / 機械刺激受容 / 細胞内【C_a】イオン / Fura-2 |
Research Abstract |
ヒヨコの内耳から酵素的に単離した有毛細胞を対象に機械刺派受容メカニズムの周波数応答特性を可塑的性質という観点から研究を進めている。61年度は研究の遂行に不可欠な二つの基礎的技術を確立した。 (1)可聴周波数領域に到る微小機械刺激装置を完成させた。パッチクランプ下に膜電流を記録している有毛細胞感覚毛から10μm程度の位置で振幅5μm程度の機械刺激を行うと、溶液を介して感覚毛に機械振動を伝える事ができた。これらによって4KHzまでの機械刺激をコンピューターの制御下に与えられ、トランスダクションチャネルは、位相遅れをほとんど示さずに機械刺激に応答し電流を流した。これは通常の会話には十分な高い周波数であり、トランスダクション機構は確かに著しく速い応答特性を持つ事が実験的に証明できた。 (2)細胞外から加わる様々な因子によってイオンチャネルは機能的修飾を受ける。チャネルにおけるそれらの変化は多くの場合、細胞内での情報変換分子の活性化と結びついている。【C_a】イオンは非常に有力な細胞内情報の伝達分子の一つである。Fura2を充填した有毛細胞を蛍光観察し、機械刺激に伴う細胞内【C_a】イオン濃度変化を二次元的に検出する基本システムを完成した。このシステムによって、機械刺激に伴い感覚毛部分で細胞内【C_a】イオン濃度が確かに変化する事を確認した。これは、トランスダクションチャネルを通って流入する【C_a】イオンによって局所的に【C_a】イオン濃度が感覚毛部分で増加する事によると考えられる。 (1)及び(2)の基本的技術は、有毛細胞の周波数応答特性に関わる可塑的特性を機能的・物質的に研究する有力な手段であり、今年度中に技術を確立できた事によって来年度以降に研究の進展が期得できる。
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