選択的冠血流計測(レーザドプラカテーテル)による心筋内冠循環の病態解析
Project/Area Number |
61232024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
辻岡 克彦 川崎医大, 医学部, 助教授 (30163801)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | レーザードプラ血流計 / 心筋内冠動脈血流 / 心筋内冠静脈血流 |
Research Abstract |
心筋内冠循環の計測は、そこが血流調節,物質交換の場であることから、冠循環動態・病態の解析に極めて重要であるが、現在まで技術的制約のため知見はわずかである。本研究では、我々が独自に開発した光ファイバ型レーザドプラ血流計により、心筋内冠動静脈における拍動性血流を計測した結果について報告する。 光ファイバ型レーザドプラ血流計の光源はHe-Neレーザを用い、直径125μmの光ファイバで血管内にレーザ光を射出する。赤血球により反射されたレーザ光は、同一の光ファイバで受信し、赤血球の速度に比例する"ドプラ信号"をスペクトラムアナライザで検出する。 心筋内冠静脈血流は、収縮早期に急速に立ち上がり、収縮期を通じて流れるが、拡張期に入ると漸減した。実験後、樹脂鋳型法により確認した血管の直径は約500μmで、深さは心外膜側より約1mmであった。心筋内冠動脈血流を中隔枝で分枝部より2cm程度中隔内に入った所で計測した。心筋内冠動脈血流は心筋外冠動脈とは異なり、収縮早期にスパイク状の逆流を認め、また収縮期を通じて明らかな逆流を認めた。顕微鏡映画法による心筋表層の微少動脈血流は収縮期に順流の存在が報告されており、一方心筋外冠動脈では収縮期に通常、逆流は認められない。従って、収縮期に高い心筋内圧により心内膜側の血管から搾り出された血液が心外膜側に近い心筋内冠動脈を流れ、一方、拡張期には心外膜側以上に心内膜側に血液が流れ込むと考えられる。すなわち、心内膜側と心外膜側の間で、心周期に伴い血流の分布変化が生じていると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)