Project/Area Number |
61232025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
山本 清高 老人総研, その他, 研究員 (90073022)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 長期維代培養 / 細胞老化 / 分化機能 / 染色体異常 |
Research Abstract |
研究目的:現在癌以外の主要な死因,脳疾患および心疾患,は動脈硬化と密接に関係している。内皮細胞は、透過性,血圧,抗血栓など重要な機能を司っている大切な細胞であり、その傷害や破綻は、血栓や動脈硬化など血管の初期病変の基となると考えられている。そこで、内皮細胞の純培養方法の確立と細胞株の樹立を行い、これらの細胞を用い、血栓防止の分化機能の発現とこれを修飾する因子の解析,細胞老化や細胞傷害と分化機能変化との関係等を調べ、生体内での意義を考察する。研究成果:ウシ大動脈内皮細胞は、培養下で有限の寿命(110代)を示した。プロスタサイクリン(PG【I_2】)産生能やトロンボキサン【A_2】産生能などの細胞老化に伴う変化については報告した。細胞表面陰性荷電(同じ陰性荷電をもつ血小板の付着を防ぐ)は、細胞老化とともに徐々に低下した。細胞老化に伴う膜構成成分の質的・量的変化については、シアル酸は変らず、ヘパラン硫酸は増加し、ヒアルロン酸およびコンドロイチン硫酸は減少していた。これらの結果は、細胞老化に伴う細胞増殖能の低下に細胞膜が関係していることを強く示唆している。ブタ大動脈内皮細胞は、それまで26細胞株を樹立しているが、そのうちの一つであるPAE-20細胞は、継代数81代付近で自然形質転換をおこすが、染色体異常はminorであり、安定したphenotypeをもつpermanent diploid cell lineである。この細胞のPG【I_2】産生能や細胞表面陰性荷電は継代数231代までほとんど変らず、また第八因子抗原もすべての細胞が保持しており、染色体異常による変化は見られない。ヒト血管内皮細胞については、臍帯より樹立した5株は、いずれも有限の寿命(30〜50代)を示した。これらの細胞の増殖には、ECGS(F)かFGFが必要であった。ヘパリンは、ECGSの存在下で増殖を促進するが、PG【I_2】産生を有意に低下させた。今後は、さらにヒト生体内血管内皮細胞,特に微少血管内皮細胞の樹立を行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)