脳微小血管機能の加齢変化とコレステロールによる修飾
Project/Area Number |
61232026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
安藤 進 老人総研, その他, その他 (30073000)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 脳血管 / 加齢 / コレステロール / 膜流動性 / 膜脂質 |
Research Abstract |
6ケ月齢,12ケ月齢のウイスターラットを用いた。それぞれを2群に分け、コレステロール食群とコントロール食群とした。各食餌で1ケ月間維持後、断頭にて脳を摘出し、Hwangらの方法で微小血管分画を得た。即ち、大脳を0.32モルショ糖液でホモジナイズし,10分間の遠心で沈渣をとる。それを分散けん濁し再遠心する。同様の操作を6回繰返し微小血管標品を得る。脂質の抽出はBligh-Dyerの方法で行なった。脂質組成の分析はTLC-デンシトメトリーの方法によった。総リン脂質の定量にはBartlett法を用いた。コレステロールは酵素法を用いて定量した。 得られた微小血管標品の外観は糸くず様であり、光学顕微鏡の観察では分岐構造を有する外径10μm前後の微小血管がとれていると判断された。他の細胞の混在はほとんど認められなかった。 6ケ月齢と12ケ月齢のラットのコントロール食群と、コレステロール食群から得た脳微小血管について脂質分析値を比較した結果、加齢とコレステロール負荷の影響が明瞭に認められた。加齢によって、遊離のコレステロールよりもコレステロールの増加が顕著にみられた。前者は細胞膜コレステロールの増加を意味し、後者は細胞内に蓄積されるコレステロールを示すと考えられる。細胞内コレステロールの蓄積は、コレステロール食に加齢の因子が加わると著しく増長されることがわかった。特に注目される所見は、12ケ月齢ラットにコレステロールを負荷すると、リン脂質含量が低下することである。その結果、レシチンに対する遊離コレステロールのモル比が著明に上昇していた。このことは、微小血管細胞膜の膜流動性の低下(微小粘度の上昇)をもたらし、それに伴う膜機能低下を招いている可能性を示唆すると考えられた。今後は、膜流動性の低下との関わりで膜酵素活性の加齢変化を明らかにする予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)