Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野中 郁次郎 一橋大学, 商学部・附属産業経営研究施設, 教授 (30065437)
平田 光弘 一橋大学, 商学部・附属産業経営研究施設, 教授 (40017489)
佐久間 昭光 一橋大学, 商学部・附属産業経営研究施設, 教授 (10092628)
竹内 弘高 一橋大学, 商学部, 教授 (60163383)
伊丹 敬之 一橋大学, 商学部, 教授 (90017492)
片岡 寛 一橋大学, 商学部, 教授 (80017483)
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Budget Amount *help |
¥5,900,000 (Direct Cost: ¥5,900,000)
Fiscal Year 1987: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1986: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Research Abstract |
「イノベーションと企業者精神」という現在きわめて高い関心が払われている分野の研究に対して, 本年度は既に数多くの業績を個別研究という形で国内外に発表してきた. 図書でいえば, 今井賢一と金子郁容の共著「ネットワーク組織論」は本研究での成果をふまえて, 新しい産業社会のイノベーションと企業者精神について全く新しい視点を提供した. すなわち, かつての単発的・個別分散的な企業者精神に比較して, 新しいタイプの企業者精神は最近のネットワーク型イノベーションに適合した, 伸縮的かつ協力的な企業者精神すなわちネットワーク型であることを解明している. また, 伊丹敬之は「人本主義」を著し, 日本企業のあり方が従来の資本中心の資本主義に対して, 人的経営資源を中心としていると主張し, 新しい企業者精神のあり方を人本主義という形で提唱した. 一方, 野中郁次郎はこれまでの実証研究の成果に立ちながら, 日本企業のリーダーシップをミドル・アップ・ダウンという概念にまとめ, 企業組織における新しい企業者精神とした. この研究は広く海外に発表され, 本年度はMIT,カリフォルニア・バークレ経営大学院, ミシガン大学の三校の権威ある機関誌で出版されるにおよんでいる. 他にも別紙の文献リストが示すように数多くの論文・著作が共同研究者から発表され, 着実に研究成果をあげている. また各界の企業者に対するインタビューも数十件におよび, その成果も様々な形で出版されている. 現在, こうした個別研究をもう一度「イノベーションと企業者精神」の観点から共同討議をし, 共同研究というかたちで一冊の出版物にまとめる作業を行っている. 本研究は新しい産業社会を迎えつつある日本の経営学にとって, 貴重な成果をもたらすばかりでなく, 広く世界的な分野での議論をまきおこしつつあり, きわめて有効な共同研究であったと確信するものである.
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