Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蒲生 俊敬 東京大学, 海洋研究所, 助手 (70143550)
才野 敏郎 東京大学, 海洋研究所, 助手 (60126068)
大和田 絋一 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (30013585)
平 朝彦 東京大学, 海洋研究所, 教授 (50112272)
酒井 均 東京大学, 海洋研究所, 教授 (00033126)
白山 義久 東京大学, 海洋研究所, 助手 (60171055)
石井 輝秋 東京大学, 海洋研究所, 助手 (80111582)
清水 潮 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (30101083)
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Budget Amount *help |
¥16,800,000 (Direct Cost: ¥16,800,000)
Fiscal Year 1987: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 1986: ¥11,800,000 (Direct Cost: ¥11,800,000)
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Research Abstract |
相模湾初島沖, 水深約1100mの地点に見いだされたシロウリガイを主体とした高密度の深海生物群集は, 大洋底の沈み込みに伴う力学場で絞り出される遺留水に含まれる化学物質によって維持される生態系とみなされる. 本年度も潜水艇「しんかい2000」による当該海域への潜降調査が11月に実現し, 生物・微生物・化学・生化学の研究者の合同で実現し, 以下のような主な成果が挙げられた. また, 東京大学海洋研究所の研究船も3航海にわたって生物・化学・地質学グループで当該海域の調査を行った. なお, 潜水艇の研究調査作業においては, 他研究機関との協力が図られた. 1)地中温度と熱流量解析から, 地下からの湧水は疑問の余地が無い, 2)メタン含量その他の化学組成の測定項目と精度を向上させた, 3)シロウリガイの呼吸量を実測し, その大きな生物活性結果からも化学合成的なエネルギー機構を支持するものであった, 4)シロウリガイ以外の生物, 例えばハナシガイ, ツキガイモドキ, キヌタレガイにも化学合成型の共生細菌が発見もしくは示唆された, 5)新たなハオリムシ(チューブワーム)が発見された, 6)シロウリガイに寄生する撓脚類や多毛類等が多数発見され, その生物学的研究が着目された, 7)シロウリガイ・ハオリムシの血液と蛋白質の生化学的研究が開始され, 比較進化学的研究に発展した. これらの成果は別掲の諸学術雑誌に出版もしくは投稿中であるほか, 日本海洋学会, 地球化学学会, 微生物生態学会などでも紹介された. その後, ソ連邦およびカナダ太平洋岸にも湧水生態系が発見され, 国際的な研究連絡が活発に行われ始めた. なお, 現在も活発な研究作業が継続されているが, 当該研究海域に潜水艇によりトランスポンダーを設置したため, 潜水艇のみなず研究船からもアクセスできるようになり, 今後の研究の便宜にも大きく寄与するであろう.
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