Project/Area Number |
61450043
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
福田 アジオ 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 教授 (60120862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹本 康博 相模女子大学, 短期大学部, 助手 (00089385)
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Project Period (FY) |
1986 – 1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
Fiscal Year 1988: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1986: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 近畿地方村落 / 「衆」組織 / 集村 / 宮座 / 長老制 / 儀礼食 / 年齢秩序 / 集落形態 / 年齢順 / 衆議 / 村落運営 |
Research Abstract |
本研究課題は、民俗学的には従来あまり重視されてこなかった近畿地方の村落について民俗調査を実施し、その特質を明らかにするとともに、日本の村落社会における近畿地方村落の積極的な意義を提出することにあった。研究費の交付をうけた3年間にほぼ以下のような成果をあげ、ほぼ所期の目的を達成した。 1.滋賀県内の北部(滋賀県伊香郡余呉町下丹生)と南部(滋賀県甲賀郡水口町貴生川地区)に重点調査地域を設定して、集中的な民俗調査を実施し、その対象村落の詳細な民俗誌を作成することができた。 2.その他の近畿地方のいくつかの村落においても調査を実施し、滋賀県内の村落の調査結果が近畿地方の民俗として普遍性をもつかどうかを検証し、滋賀県の個別村落の民俗を近畿地方村落の代表例として一般化することができた。 3.近畿地方村落の民俗的特質は、村落を強調する社会であり、その編成原理において把握すれば「衆」村落ということになる。個別の家・屋敷は明確でなく、集村形態で集中して、村落としての一体性を強調することと、村落内部の社会組織、社会関係における家を無視して個人を組織する「衆」組織の存在は対応するものであり、近畿地方村落の社会的特質を示すものであることが明らかになった。 4.同様の特質は、宮座祭祀に集中的に示されており、その祭祀に登場する供物としての食物の種類が豊富なこと、製作方法が複雑なことは、やはり他地方に見られない。この供物としての食物とそれを供える宮座儀礼は、近畿地方村落の信仰面での特質を示し、その基盤には「衆」組織の原理が存在することも明らかになった。今後、近畿地方村落を把握する基本的枠組みとして「衆」村落を広く提唱したい。
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Report
(4 results)
Research Products
(5 results)