Research Abstract |
本研究では, 自己学習力を学習の仕方(学習方略と学習技能), 学習意欲, 生活技能から成るものと考え, 学習方略を除いた他の全ての要因についての研究・体系化を図ってきた. 本研究を通じて, まず, 一般的な学習技能, 学習意欲の構造と, 創造性や学業成績との関連を明らかにした. その結果に基づき, 学習技能を開発するための方策として, 発達段階を考慮して, 小学校低学年・中学年・高学年・中学校・高校の各段階別に, 各教科別の学習技能, オープン・スペースやマイコンを利用した学習など特別な環境下での学習技能, 家庭学習における学習技能など, さまざまな条件別に内容を抽出し, 学習に効果のある項目を調査により明らかにした. このうち, 特に今年度開発したものは, 国語科(作文), 理科(低学年), 英語科, 家庭科(住居・生活), オープン・スペース, 家庭学習技能である. 一方, 学習を成立させる上で, 基本的生活の充実が第一であるという観点から, 基本的生活習慣や態度を充実させるために, 生活技能の項目を抽出し, 学習意欲や学業成績との関連を明らかにした. また, 今年度は, 生活の基本は家庭であるという観点から, 家庭生活における生活技能の内容を検討し, 調査を行った. さらに, これまでは, 学習技能の開発方法として, 診断・処方用紙を各教科別等の単位でまとめていたが, これ等の全ての項目を構造化し, マイコンのデータベースに登録して, 日常の授業において診断・処方を継続的に行えるようなCMIシステムの開発がまとめの段階に入っている. なお, 今後の課題として, 情報化社会に求められる情報リテラシーを自己教育力の一部としてとらえ, これ等の内容と学習技能との関係を考察するとともに, 情報リテラシー開発のプログラムを検討していく必要がある.
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