Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯塚 哲太郎 慶応義塾大学, 医学部, 助教授 (30029475)
小林 園子 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (00013764)
安田 立二 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30092357)
棚元 憲一 東京大学, 医科学研究所, 助手 (60107430)
上野 郁子 東京大学, 医科学研究所, 助手 (60012738)
|
Budget Amount *help |
¥5,900,000 (Direct Cost: ¥5,900,000)
Fiscal Year 1987: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1986: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
|
Research Abstract |
1986年度はヒト及びブタの好中球で, それまで活性酸素放出を誘導しないとされていた直鎖飽和脂肪酸や, トランス型不飽和脂肪酸も培養液中のCa^<++>を除きさえすれば, O_2^-産生系を活性化することを認め報告した. これらの脂肪酸の刺激により吸収した酸素は, ほぼ100%がO_2^-に一電子還元された. 1987年度はヒト及びブタ好中球から無細胞系を調製し, この系がPMAやfMLP等の刺激は受けないが, これを長〓・飽和または不飽和脂肪酸で刺激するとNADPHに依存した酸素吸収とO_2^-産生を誘導することを認めた. 先に開発した方法を適用し, これを詳しく検定した結果, 飽和またはモノ脂肪酸で刺激した場合, 吸収した酸素と等モルのO_2^-産生されるが, ポリ不飽和脂肪酸を用いた場合には, 吸収された酸素の一部しかO_2^-にならなかった. そこで飽和脂肪酸, モノ不飽和脂肪酸を用いて, 無細胞系の解析をおこなった. まず, 膜画分と可溶性画分を分離したところ, O_2^-産生を活性化する為には, この両面分が必要であるが, この系を脂肪酸で活性化後は, 膜画分のみでNADPH依存のO_2^-産生があることを認めた. そしてこの可溶性画分は一度膜を活性化すると, その効果を失うこと, この有効性の消失は, 無傷好中球をPMAや脂肪酸で刺激した場合に認められることを明らかにした. この事は可溶性の有効成分(蛋白質)が脂肪酸と共に膜に移動して, O_2^-産生系を活性化したか, または, この活性化に伴って有効成分が消失または不活性化したことを示しており, 更に検討を続けている. 一方, 活性化した膜画分を, 脂肪酸を除去したアルブミンで処理すると, 膜に吸着した脂肪酸が代謝されずそのままの形で回収されると共に, 膜は活性を失う事を見出した. 更にこの不活性化した膜は, 脂肪酸のみでは活性化しないが, これと共に新しい可溶性画分を加えると再び活性化することを見出した.
|