Budget Amount *help |
¥6,300,000 (Direct Cost: ¥6,300,000)
Fiscal Year 1987: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1986: ¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
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Research Abstract |
味蕾による味覚の受容が, 味蕾を構成する細胞のどのような変化によっておこっているかを, 形態学的方面から追求した. 味蕾の味覚を変化させる味覚変革物質の1つで, 甘味の抑制効果をもつギムネマ酸を作用させ舌乳頭の味蕾について, 光顕組織化学的, 電顕的および蛍光組織化学的に正常味蕾と比較検索した. 実験にはラットおよびマウスの有郭頭味蕾を用いた. 光顕組織化学的にアルカリフォスファターゼ, 酸フォスファターゼ, アデノシントリフォスファターゼ, コハク酸脱水素酵素, 乳酸脱水素酵素についてラットを用いて昨年と同様な方法で検索を進めた. その結果, ギムネマ酸を作用させると正常味蕾に比べて全ての酵素活性に変化がみられるが, 特にアデノシントリフォスファターゼの活性の変化が明瞭で, 味蕾を構成する細胞の中では北村の第I型細胞(支持細胞)において変化が明らかである. 電顕的検索もラットによりおこなった. その結果, ギムネマ酸を作用させた場合に味蕾細胞におこる変化は北村の第I型細胞にみられる. 蛍光組織化学的研究は, まず正常ラットを用いてナイアラマイド(モノアミン酸化酵素抑制剤)を腹腔内に前投与し, 後にセレトニンの前駆物質である5ーヒドロキンーLートリプトファン(5ーHTP)の腹腔内投与をおこない, 味蕾の取り込み実験をおこなった. その結果, ラット味蕾では取り込みがみられなかったので, 次に正常マウスを用いて実験したところ5ーHTPの取り込みがみられた. この場合取り込みがみられる細胞は従来いわれている味細胞であるといっている研究者もいるが, 本研究では, 未だ味蕾を構成する細胞の中のどの細胞にあたるかについて確定していない. なお免疫組織化学的に, 正常味蕾周囲に分布するセレトニン, サブスタンスPの局在について酵素抗体法を用いて現在検索中である. さらにギムネマ酸を作用させた味蕾について検索し, 正常味蕾と比較検討する.
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