Project/Area Number |
61510055
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Psychology
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
上野 雄宏 阪市大, 文学部, 教授 (10047079)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1986: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 色度チャンネル / 輝度チャンネル / 色覚機構 / 反応時間 |
Research Abstract |
ヒトの視覚系における2つのチャンネル、すなわち、色度チャンネルと輝度チャンネルとを、精神物理的な手法によって分離することを目的とする実験が計画された。2光路のマックスウエル視光学系の装置を作製した。テスト刺激(単色光)の検知に関する反応測度として、被験者の反応時間(刺激の提示からキー押し反応までの潜時)が測定された。色光刺激は閾近傍のもの、あるいは閾上刺激であった。次のような成果が得られた。 1.波長448nmから658nmまでの8つの単色光テスト刺激(これらはいづれも異色間交照法によって等輝度1cd/【m^2】にされている)に対する反応時間が測定された。これらのテスト刺激は空間的に同じ大きさをもつ白色背景に提示された。反応時間は、(1)5あるいは10cd/【m^2】の定常な白色背景、(2)5Hzのフリッカー白色背景においては、波長の変化に依存して変化した。しかしながら、(3)暗順応野、(4)15Hzのフリッカー背景においては、反応時間は波長の変化とは無関係であった。したがって、白色背景の空間的・時間的な条件が2つのチャンネルの分離に決定的な要因になることが明白になった。 2.波長580nm、持続時間1秒の比較的長いテスト光に対する反応時間が測定された。刺激の強度が高いときには、反応時間の分布は刺激のonsetに集中したが、強度が低くなるにしたがって反応時間の分布は、刺激のonsetからoffsetへ移行した。この事実は、580nmのテスト刺激の検出には、刺激強度に応じて2つのチャンネルの関与があることを示す。 3.反応時間の手法は、極めて有効な手段であることがわかったので、今後この方法を用いて色覚機構の間の交互作用を解明することが望まれる。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)