Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1987: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
選抜制度に代わるものとしての進路指導の理念と現実を明らかにするために, 科学研究費補助金を受けた昭和61年度と62年度にわたり, フランスの教育制度や生徒の進路指導および進路指導に関係ある諸機関・諸委員会などに関する資料などを幅広く収集し, この間, その一部であるがその詳細な内容の分析を行った. そのうち進路指導に係わる理念, 制度, その問題点などをいくつかの点に限定して論文にまとめ, また全体にわたる問題については, 中間的な成果として論文にして発表した. この研究で明らかにした主な点はつぎのようである. (1)進路指導の理念を確立したランジュヴァン・ワロン改革案について, その分析を行い, 進路指導の理念が, 教育学的ばかりでなく, 広く社会・経済的な観点からも重要な妥当性を持っていることを明らかにした. (2)生徒の進む進路を具体的に図式化して明らかにした. (3)「教授委員会」, 「学級委員会」の構成, 構成員の役割, 生徒の進路に関する討議, 審議などについて, その実態の一部を解明した. (4)進路指導は国の教育政策や社会・経済政策と無関係ではありえなく, その観点から, 進路指導と学区制度(「学校設置・配置図」)との関係について分析しようとし, その中間的成果をまとめ大学紀要に掲載した. (5)進路指導の理念は十分に認められているが, その理想的な実現は, 現実の社会・経済・教育状況の下できわめて困難な状況にある. この理念と現実の乖離については, 論文にまとめ学会紀要に掲載された. 進路指導については入手困難な生徒の個人情報もあり, 今後, その点も含めさらに具体的な究明に努力したい. また比較研究については, わが国の場合の実態把握の段階であるが, できるだけ早く行いたい. 近い将来に, 研究成果を本にまとめ刊行する予定である.
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