Project/Area Number |
61510182
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Asian history
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Research Institution | Aichi Prefectural Women's Junior College |
Principal Investigator |
倉橋 正直 愛知県女短, その他, 助教授 (10149495)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1986: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ケシ栽培 / 阿片 / モルヒネ / 日本の阿片政策 / 和歌山県 / 日高郡 / 有田郡 |
Research Abstract |
戦前における日本の阿片モルヒネ政策は実に広い領域をもつ。今回はその中で、内地におけるケシ栽培及び阿片製造の問題にしぼって追求した。和歌山県は戦前(そして、戦後の一時期を含めて)、内地におけるケシ栽培の中心地であり、生産額も、最も多かった。同県では、有田郡と日高郡がとびぬけて生産額が多かった。そこで、今回、同地方に出かけて実地調査を行った。聞きとり調査にふなれなため、必ずしも効率よく調査できなかったが、それでも、実際に現地に出向いて調査したことで、それなりの成果をあげることができた。戦前から戦後にかけて、ケシを耕作してきた高齢の農民から、直接、いろいろ話を聞くことができたからである。それらは現地では、よく知られた話かもしれないが、私にはどれも新鮮で貴重な話に思えた。 一方、和歌山県薬務課や各地の町役場、及び保健所も歴訪した。その結果、ほぼ予想していた通り、こういった所には同問題に関する資料が、すでにほとんど残っていないことを、あらためて確認することができた。また、現地の図書館や公民館などを訪ねることで、当該地方でないと入手しにくい町村史や県レベルの統計を見ることができた。数回にわたる調査旅行によって、いわゆる土地カンをやしなえたし、また、各地で個人的なつながりも持つことができた。それらは今後の研究に、有形、無形の貢献をしてくれるであろう。また、現地調査とは別に東京へもゆき、国立国会図書館などで、関係史料を収集した。 珍しいことに本年度中、本問題に関する大部の本が二冊刊行された。これも、本問題に対する学界の関心の高まりを反映したものであろう。このうち、一冊を書評することができた。
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