Project/Area Number |
61510192
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
History of Europe and America
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
若松 繁信 北九州大, 外国語学部, 教授 (80047688)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 自由放任 / 国家干渉 / T・H・グリーン / 自由党 / 大学人リベラル / 教育法 / 禁酒問題 / 社会政策立法 |
Research Abstract |
19世紀後半〜20世紀初頭のイギリス自由主義は、旧自由主義(自由放任,議会改革,節約,自助)から新自由主義(国家干渉,社会政策立法)への転換として把えられて来た。研究代表者は、このシェーマの検討と新自由主義の実態を探るために、新自由主義の第一世代(1880年代のグリーンやチェイムバリンら)と第二世代(世紀末前後のホブハウス,ホブスンやアスクィスら)の実態・異同を検証すべきであると考え、本年度は理論的祖、グリーンと自由党の政策との関連を解明して、以下の新知見を得た。1.グリーンは、大学と国政の自由主義的改革を求める大学人リベラルの一員であった。2.ブライト賛仰者として彼の外交政策・議会改革・米国北軍支持に賛同したグリーンは、急進派ではあってもマンチェスター派自由放任論の支持者ではなかったし、後年、教育・禁酒問題で国家の介入を強く要請してブライトと著しく相違した。3.グリーンはグラッドストンの議会改革・外交政策・土地法を支持して止まなかったが、教育法や禁酒法については非国教派圧力団体と同調し、微温的ミルとも異なった。4.チェィムバリンの〈国民教育連盟〉〈全国自由党連合〉の政策や運動を支持したグリーンは、禁酒問題では〈全英禁酒同盟〉路線に忠実で、その現実的実現可能案を構想し、政治的論戦に加った。5.グリーンは国教会廃格には反対で、包活的・民主的改革を要求した。6.グリーンもチェィムバリンも直接、社会政策立法へ言及したのは、82・83年であり、その内容は過渡期的提言に留まった。7.グリーンは大学内やオクスフォード市他若干でしか知られていない地方自由党員で、自由党の転換に直接又は多大の影響は及ぼし得なかった。 次に転換点、1891年自由党綱領について発表予定であり、続いてグリーンと第二世代ホブハウスとの関連を追求して、新自由主義の実相を解明することを計画している。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)