Project/Area Number |
61510218
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
国文学
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
真鍋 昌弘 奈良教大, 教育学部, 教授 (70084168)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1986: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 室町時代の小歌 / 雨乞踊歌 / 祝言 / 女歌舞伎踊歌 |
Research Abstract |
今回の科学研究費補助金を受けて、日本歌謡史上注目すべき歌謡群一風流踊歌の調査研究を進めた結果、次のような成果を得た。 1各地において報告翻刻されている風流踊歌歌詞を、全国的にほぼ完全に近いところまで複写によって蒐集することができたので、(1)風流踊の場における歌の配列の標準的な型や各地における独自な配列や踊歌の存在などを指摘することができた(例えば、道歌・いりは歌と進む標準的な型、じんやく踊を加える伊賀・和泉他かぎられた土地の配列のことなど)。(2)踊歌の種類がどれほどであり、一つの踊歌がどのように伝播しているのか。また名称は同じ踊歌でも内容の異なるものがどれほどあるのかなどを考察することができた(踊歌の種類は、1800種を下らないようであり、牛若踊など内容の異なる場合の多い踊歌の一つである)。 2風流踊歌の素材・出典などについても考察することができた。例えば、室町時代以後の他の歌謡群との関係、説経浄瑠璃・幸若舞曲・物語・伝説などをどのように取り込み風流踊歌化したのかということ(例えば幸若舞曲をふまえたものについては、その多く大頭流の詞章と密接な関係にある)。 3風流踊歌における発想表現の特色を多数指摘できた(例えば祝言性の強い系統で、屋敷踊の如く順々に見流してほめてゆくもの、四季踊の如く一つの場所から四方を眺望する発想など)。 4風流踊歌を通じて、中世後期〜近世期におけるわが国の庶民文化の諸相を指摘することができた。(商人踊によってその生活や売り口上の一面がわかり、うらめし踊などによって当時の若者の恋の心情が見えてくる)。 以上、四点を中心として、さらに多くの課題にもふれることができ、今回の調査研究はひじょうに有効であった。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)