Project/Area Number |
61530038
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Economic history
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 愼一 北海道大学, 経済学部, 助教授 (10092264)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1986: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 植民地朝鮮 / 植民地農業 / 植民地地主制 / 在韓日本人 / 日本人地主 |
Research Abstract |
研究費の多くを旅費に充て得たお蔭で、資料収集と聞き取りのための調査をほば計画通りの日数で行なうことができた。岡山県邑久郡牛窓町の西服部家の朝鮮関係文書についてはそれが質・量ともに第1級の史料であることを改めて認識した。今回の調査で新たに大正年間の一群の書簡類を発見することができたのは大きな収穫であった。この中には末知の在韓日本人からの不動産情報提供なども含まれており、これらの史料に基づけば、旧稿(大石編『近代日本における地主経営の展開』所収)を更に発展させることによって西服部家の朝鮮進出過程をより豊富な史実に即して再構成できると考えている。また昭和恐慌期の文書群からは貸金と土地集積との関連を示す史料を見出し得たので、植民地大地主としての発展過程を追究するための素地ができたと考えている。西服部家文書と関連して、在韓日本人関係者の方々を探し出し訪問して聞き取りを行なった。岡崎英爾(前島)・金中義雄(和気郡和気町)・岡崎勝男・石井仁治(岡山市)の諸氏である。いずれも朝鮮関係文書は残しておられないとのことであったが、在韓時代の体験を語ってもらい興味深いものであった(殊に石井氏は地主直営地を担当した農場管理人であり朝鮮農業にも詳しく、大変参考になったので、再び聞き取りを行ないたいと思っている)。ただし天久卓夫氏とは連絡はとれたもののお会いできず、石井くに(石井柳三郎の娘)さんには門前払いを受けた。目下、複写して収集した資料の整理と解読に追われているのが実情であり、その本格的な分析は次年(昭和62年)度に始めたい。なお、西服部家文書はあまりに膨大であるため、その閲覧と複写に与想以上の時間を費やすこととなり、溝手家については調査を断念せざるをえなくなった。西服部家文書についても、まだ閲覧と収集を重ねる必要があるので、溝手家文書とあわせて、次の機会を得て再調査を行ないたく強く念じている。
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