Project/Area Number |
61540238
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田村 剛三郎 広島大, 総合科学部, 助教授 (30155262)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 伸也 広島大学, 総合科学部, 助手 (30183601)
|
Project Period (FY) |
1986
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | 流体セレン / 超臨界領域 / 臨界点 / 半導体-金属転移 |
Research Abstract |
セレンは、液体から気体へと臨界点(1580℃,380bar)を超えて膨張するとき、鎖状構造をもつ液体半導体から金属的性質をもつ流体へ、さらには気体へと多様な変化を示す。本研究では、この超臨界領域で出現する金属流体の成因を明らかにする目的で、気体側から流体への凝集過程を光吸収スペクトルの測定を通して追跡した。 (1)高圧容器の製作;1700℃,1000barまでの温度圧力領域で光吸収係数の測定が可能な高張力鋼製の内熱型高圧容器を設計、製作した。ヒーター、断熱管等の内蔵物を自作し、耐圧光学窓としてサファイアを使用することにより所定の温度圧力下で、光を容器内に導入透過させることができた。 (2)光吸収係数測定用セルの製作;種々の試みの末、サファイア管に、両端を光学研磨した二本の透明サファイア棒を挿入し、それらを互にグラスフリットで接合したものを製作した。二本のサファイア棒の間にできる空隙を試料空間とし、その厚みを10ミクロンまで薄くすることが可能となった。 (3)超臨界領域での光吸収係数の測定;1700℃もの高温試料から出る強い輻射光は測定の障害となる。透過光と輻射光を区別して取出すため、光源と試料間にチョッパーを設置しかつロックイン検出法を採用した分光光度計を用いることによりこれを克服した。試料空間の厚みが、1,0.1,0.01mmのサファイア光学セルを用いて、1700℃,400barまでの高温高圧下で光吸収係数の測定に成功した。臨界点近傍の高密度セレン気体の吸収スペクトルには、【Se_2】分子に起因すると考えられる吸収バンドの他に、低エネルギー側にエネルギー依存性の少ない平担な吸収が現われる。このことは気体が金属流体へ凝集する途中において金属的性質を示すクラスターの存在を示唆するもので、興味深い。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)