Project/Area Number |
61540256
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物性一般(含極低温・固体物性に対する理論)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
前川 禎通 東北大, 金属材料研究所, 助教授 (60005973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 三郎 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60171485)
小山 富男 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30153696)
立木 昌 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20028111)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1986: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 近藤効果 / 結晶場 / セリウム化合物 / 電気抵抗 / 熱起電力 |
Research Abstract |
多くのCe,Yb及びアクニチド化合物は近藤効果と結晶場のために種々の異常な物性を示す。さらに、これらの化合物のいくつかが特異な超伝導(ヘビーフェルミオン超伝導)を示すことが最近見出されて多くの注目を集めている。本研究では特にCe化合物に焦点をあて、その磁気的性質と電気的性質を統一的に記述する理論を建設した。磁気的性質は稀土類及びアクチニドイオンに局在したf電子が主として担っており、電気的性質は伝導電子が但っている。従って、両方の性質を統一的に研究することにより近藤効果の本質がより明確に理解できることになる。我々の方法は、局在したf電子の状態をフェルミオン演算子で表わすことにより、動的帯磁率と伝導電子の自てエネルギーをセルフコンシステントに求めることにある。この自己エネルギーを用いて電気抵抗や熱起電力等の伝導現象が記述できる。なお、物質パラメータは磁気的性質より一義的に決定が可能である。:1.Ce【Al_2】,Ce【Cu_2】,【Si_2】,Ce【B_6】等が示す電気抵抗の複雑な温度変化が結晶場と近藤効果の交互作用によることが明らかになった。2.Ce化合物の正の巨大熱起電力がフェルミ面近傍における近藤共鳴状態に基ずくことが明らかになった。また、Yb化合物の負の熱起電力も同様に説明される。なお、近藤ハミルトニアンより近藤共鳴状態を求めたのは本研究が最初であると思われる。3.これらの化合物の電気抵抗及び熱起電力の異方性が結晶場による近藤共鳴状態の異方性により統一的に説明された。これらの化合物の局所的な電子状態の異方性は超伝導にとって非常に重要である。この異方性がクーパー対の異方性を導き、従来のBCS超伝導とは違った性質をもたらすと考えられる。ごく最近見出された酸化物高温超伝導体においても、このような異方的のクーパー対が予測されている。この方面の発展も今後期待される。
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