衛星観測資料にもとづいたエアロゾル・オゾンの成層圏分布に関する研究
Project/Area Number |
61540300
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
気象・海洋・陸水学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高木 増美 名大, 空電研究所, 教授 (90023671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 晃 名古屋大学, 空電研究所, 助手 (40023676)
近藤 豊 名古屋大学, 空電研究所, 助手 (20110752)
森田 恭弘 名古屋大学, 空電研究所, 助教授 (00023680)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 成層圏エアロゾル・オゾン / 衛星観測 / 衛星地上比較観測 |
Research Abstract |
成層圏の現象は地球規模で変動することから、衛星を利用した観測は成層圏の物理化学を解明するためきわめて有効な手段である。1984年2月に打上げられた科学衛星「おおぞら」には、我々の開発した成層圏エアロゾル及びオゾンの観測装置が塔載され、これまで年間200地点以上の鉛直分布の情報をもった観測資料が得られている。本研究では、まずこの大量のデータを効率よく処理する手法の開発を行った。観測法は、衛星上の日出没時に地球外縁大気中を通過する太陽光強度の変化を測定し、これから逆変換により、太陽光路の地表との接線部におけるエアロゾル・オゾンの鉛直分布にひきなおそうというものである。したがって太陽光路の接線高度をいかに精度よく推定するかが、最大不可欠の鍵になる。特に大気による光路屈折の効果は重大である。得られた観測データは、打上げ前に予想したよりかなり雑音レベルが高く、太陽像の屈折による歪曲から接線高度を推定するバックアプが期待通り働かなかった。このため、衛星位置、楕円体地球の形状、地磁気強度との関連等を効率よく取り入れた解析法を開発した。詳細な解析結果はまだまとまっていないが概略は次の通りである。1984年から86年にかけての成層圏は、82年4月に噴火したエルチチョン火山の影響が次第に減少する期間で、86年にはほゞ静穏状態にもどったこと。これとともに季節変化が明瞭となり、エアロゾル濃度は夏に低く冬に高く、両半球で交代すること、エアロゾル層の高度は対流圏界面の高度の上下に対応することなどが確められた。衛星観測は遠隔観測のため系統誤差を生ずる恐れがあり、地上からの測定による保証を欠くことができない。豊川に設置したライダーとの同時刻同地点観測はできなかったが、同緯度同時期の比較では、エアロゾルの粒径分布、屈折率に適当な仮定をすれば、誤差範囲20〜30%で鉛直分布が一致することを確かめた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)