Project/Area Number |
61540317
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理化学一般
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
丸谷 健一 東京工大, 資源化学研究所, 助手 (90016741)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 一酸化炭素水素化 / 酸化ジルコニウム / イソブテン / IR / 表面吸着種 / メトキシド / 重炭素トレーサー |
Research Abstract |
フィッシャー・トロプシュ反応は、従来遷移金属触媒を用いて行なわれ、生成物としては直鎖状オレフィンの混合物が得られる。この反応に酸化ジルコニウム触媒を用いると分枝型オレフィンであるイソブテンが高選択的に得られる事を既に我々は見出している。この特異な反応の機構解明を目的として計画にそって研究が行なわれ以下の様な成果が得られた。 1.CO-【H_2】反応中の触媒表面吸着種の検討 赤外吸収測定用セルに酸化ジルコニウムのディスクを固定し、通常の流通反応の条件(623K,500Torr.,【H_2】/CO=3)でイソブテンが選択的定常的に合成されていることを確認しながらFT-IR測定を行ったところ、主な吸着種としてメトキシドとギ酸イオン種が見出された。ギ酸イオン種は炭化水素合成とは無関係であることが確認されたので、メトキシ種と炭化水素生成の相関性を見るためCO-【H_2】反応にジメチルエーテルを添加し生成物への影響を調べた。その結果ジメチルエーテルの添加即ちメトキシ種の増加はイソブテンを含む全炭化水素生成を促進するが、COと【H_2】のないメトキシ種のみの反応はイソブテン合成には不適で直鎖炭化水素のみ与える事が明らかとなった。2.【^(13)C】トレサーを用いるイソブテン合成機構の解明 【^(13)CO】-【H_2】の反応途中で【^(13)CO】を【^(12)CO】に切り換え、得られた生成物をガスクロマトグラフを用いて分離定量し、得られたイソブテン中の【^(13)C】取り込みの様子を高分解能超電導核磁気共鳴装を用いて解析した。その結果イソブテンの各炭素、C(α)【H_2】=C(β)【(C(d)H-3)_2】のうち反応初期にはC(β)のみ【^(13)C】濃度100%でC(α),C(γ)共50%以下、即ちC(β)はメトキシ種から、C(α)とC(γ)は気相COから与えられる事が明らかとなった。従って、1,2から分枝型炭化水素合成にはメトキシドと気相COと【H_2】の反応が必要であり、メトキシドのみでは直鎖型となる事が示された。(日化50年春年会発表予定)
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