Project/Area Number |
61540318
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理化学一般
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
市村 禎二郎 東京工大, 理学部, 助手 (50016169)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | ヘキサフロロベンゼン / ホット分子 / 振動緩和 / 過渡吸収 |
Research Abstract |
ベンゼン誘導体の一例として、ヘキサフロロベンゼン分子をとりあげた。エキシマーレーザーで第二励起一重項状態に挙げると、この励起分子は、速やかに内部転換を起こし、分子内温度(振動温度)として、3050Kのホット分子を生成する。この振動温度は、分子が持つ30の振動モードに全て分配されていると思われる。従って、その振動に対応した周波数の赤外発光を出すと考えられるが、今年度はとりあえず、このホット分子の振動緩和をその吸収の減衰を調べることにより研究した。ヘキサフロロベンゼンのホット分子の吸収は、200nmから400nm位の範囲に観測されるが、200から300nm程度の波長範囲には基底状態の分子の吸収があるため、ホット分子の吸収の時間変化に、この吸収が妨害をするので、良いデータが取れない。そこで、ホット分子の吸収自身は、そんなに強くはないが、300と350nmで、吸収の時間変化を観測した。衝突して振動緩和を起こさせる分子として、窒素,酸素,アルゴン等を用いて、これらを一定の圧力加えてホット分子の吸収減衰曲線を測定した。次に、この吸光度の時間変化を内部エネルギー変化に換算するため、吸光度と内部エネルギーの関係を計算により求めた。この変換曲線を使って、実測した吸光度の時間変化から、ホット分子の内部エネルギーの時間変化を求めた。この内部エネルギーの時間変化を表わす曲線から、分子の一回衝突当たりのエネルギー移動量を見積ることができた。同時に、この内部エネルギーが時間に対してどのように変化するかを調べることにより、この振動緩和が、ホット分子の内部エネネルギーに依存することがわかった。
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