Project/Area Number |
61540326
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理化学一般
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
横山 正明 阪大, 工学部, 助教授 (90029281)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 光導電性ポリマー / キャリア移動度 / キャリアトラップ / エキシマー型コンホメーション / 二量体モデル化合物 |
Research Abstract |
電子写真有機感光体材料として実用上重要な光導電性ポリマーにおいて低キャリア移動度の要因となるキャリアトラップが、ポリマー特有の構造的欠陥であるエキシマー(ダイマー)型構造に由来することを明確にすることを目的として、光導電性ポリマーとして広く知られているポリ-N-ビニルカルバゾール(PVK)を選択し、その二量体モデル化合物との対比において、ホールの移動度、熱刺激電流、蛍光測定、ならびに本研究で新たに導入したPhoto-DLTSの手法を用い総合的に検討を行った。 1 まず本研究で取り挙げた一連の2量体モデル化合物の樹脂分散系におけるキャリア移動度と発光スペクトルにおけるエキシマー蛍光収量の明瞭な相関を見い出した。2.熱刺激電流、Photo-DLTS測定から、これらの化合物におけるキャリアトラップならびにその深さに関して検討を行い、すべての化合物でトラップの要因が同一であることを明らかにし、これら一連のモデル化合物でのキャリア輸送能の差がキャリアトラップとなるエキシマー構造の濃度に起因すること明らかにした。3.特にエキシマー型構造の有無が明確に異なる2、4-ビスカルバゾリールペンタン(BCzPen)の光学異性体の合成、分離を行い、それらを樹脂に分散した系におけるキャリア移動度が、エキシマー構造を取り得るメゾ体において約2桁小さいことを見い出し、ダイマー型構造がキャリアトラップとなり得ることを明確にした。4.熱刺激電流の解析からBCzPenのメゾ体とラセミ体の樹脂分散系でキャリアトラップ濃度に約20倍の差があること、5.メゾ体の樹脂分散膜におけるエキシマー蛍光収量の薄膜作成時の温度依存性から、メゾ体における分子内エキシマー型構造を取り得る確率が0.13%であることが分かった。
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