新しい光イオン分光法による簡単な気相分子の解離性光電離機構の解明
Project/Area Number |
61540333
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理化学一般
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
増岡 俊夫 阪市大, 公・私立大学の付置, 講師 (80047208)
|
Project Period (FY) |
1986
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1986: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 光電離 / 光解離 / 解離性光電離 / 光イオン分光 / 多電子遷移 / 二重電離 / 自動電離 / 電子相関効果 |
Research Abstract |
エネルギーが比較的大きい真空紫外光をMN分子に照射したときに起る解離性光電離過程を調べるために、新しく"解析的光イオン分光法"を考案した。その方法は、光子エネルギーの函数として測定された各種のイオン(【MN^+】,【M^+】,【MN^(2+)】,【M^(2+)】など)の生成割合をマイクロコンピュータで解析的に処理し、イオンの生成割合の増加,減少を微分スペクトル化して解離のチャネルを解明しようとするものである。この方法を2原子分子(HF,HCl,HBr)と3原子分子(【N_2】O,【CO_2】,【H_2】O)のデータに適用し、これらの分子イオンの解離に関与している電子状態について多くの新しい知見を得ることができた。具体的には、1.HFについてすでに知られているA【^2Σ】とB【^2π】状態の解離に加えて、B状態または2重電離状態に収歛すするリュドベリ系列が【F^+】イオンに選択的に解離すること,2.HClでは、最近の研究で明らかになった電子配置相関効果による多電子遷移状態と、H【Cl^+】イオンの解離生成物のうち特に【Cl^+】イオンへの解離チャネルとの間に密接な関連があることを見いだした。3.【N_2】Oでは(1)B【^2π】状態の【NO^+】と【N(_2^+)】の解離イオンスペクトルを得,(2)E>20eVの領域に存在する多電子遷移状態の【N(_2^+)】と【N^+】イオンへの解離を見いだした。これらの成果のうち、HFとHClについてはJ.Chem.Phys.に投稿し、【N_2】Oの結果は国際学会で発表した。4.【CO_2】分子についても(1)多電子遷移状態の特定イオンへの解離を明らかにするとともに、(2)2重電離が起る領域で【CO(_2^(2+))】イオンは全イオンの約1〜3%はそのまま生き残るものの大部分は解離すること,CやO原子の主に2s電子で構成される電子状態では完全に解離すること,2重電離状態に収歛するリュドベリ系列が【CO^+】に解離することなどがわかったので研究論文を準備中である。HBr,【H_2】O,C【S_2】についても光イオンスペクトルを得たので引き続き検討し、順次、論文として発表する予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(9 results)