Project/Area Number |
61540340
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理化学一般
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
岸 興作 関西学院大, 理学部, 教授 (60028181)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 遷移金属表面 / 吸着 / 金属-イオン相互作用 / X-線光電子分光法 / 単原子層鉄の酸化 / 吸着種間相互作用 |
Research Abstract |
遷移金属表面と無機イオンとの反応に与える溶媒和の影響を調べるには、金属表面とイオンとのモデル界面を調製する必要があり、その為の超高真空チャンバーの製作を行い、今回講入したターボ分子ポンプを取付け、【10^(-8)】Pa迄真空排気可能とした。このチャンバーに取付ける特殊な試料ガス導入系を製作し、数Torr圧の汚染のない溶媒分子をatomic scaleで金属試料表面上に結露させることがやっと可能となったが、これを用いた実験は始めたばかりである。最終目標に到る迄には種々の予備的実験、研究を必要とするが、それらについて、X-線光電子分光法(XPS)および低速電子線回折(LEED)を用いて次のような成果、情報を得た。 1. Ni(111)表面上に析出した単層以下のNaClのNaのイオン性は小さく、とくに600K程度では金属に近いが、表面に共存する酸素の影響でイオン性を増することが、Na1s,NaKLLオージェピークの変化より観察された。 2. Ni(111)表面上に吸着エチレンジアミン(N【H_2】C【H_2】C【H_2】N【H_2】)は、単座および二座配位子として結合するが、そのうち配位しない-N【H_2】基は180Kで酢酸と相互作用し-【NH(^+_3)】を生成するが、結合に用いられている-N【H_2】基は酢酸と強くは相互作用しないことをN1s結合エネルギーの変化より確かめた。 3. 金属単結晶上に異種金属の化合物を生成するために、まずNi(100)表面上への単分子層Feの析出と酸化について研究した.Feは2原子層迄は、epitaxial Layer-by-Layer 成長することがわかり、単原子層Feは、c(2×2)-O,FeO on Ni,FeO-Like,【Fe_3】【O_4】-likeと酸化が進むに従ってFe2p3/2が化学シフトする様子をはっきりと観察した。それぞれの酸化状態においてニトロベンゼンの吸着を行うことにより-N【O_2】基の-NOおよび-Nへの解離に対するFeの酸化との関連を調べた。以上のような情報をもとに、溶媒和の影響について今後研究の予定である。
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