Project/Area Number |
61540342
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理化学一般
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
竹田 邦雄 岡山理大, 理学部, 助教授 (10113193)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 血清アルブミン / タン白質への色素吸着 / アゾ色素 / HABA / 温度ジャンプ法 / ストップトフロー法 |
Research Abstract |
アゾ色素として、2-(4-hydroxyphenylazo)benzoic acid(HABA)を選び、この色素の牛血清アルブミン(BSA)への結合過程を速度論的に検討した。このHABAはアルブミンに結合して新しい吸収帯を480nm付近にもつようになる特異的な色素である。本研究にあたり、この結合過程にはBSAに本来結合している脂肪酸が無視できないほど関与していると仮定し、この脂肪酸をもったままのBSAと脂肪酸をとってしまったBSAへの結合およびその発色のメカニズムについて検討した。 Ehrichのメタクロマジー法によって求めたHABAのBSAへの結合定数および結合サイト数は、脂肪酸をもっている場合(天然の状態)、2.1×【10^4】【M^(-1)】、1.5個で、一方、脂肪酸をとり除いた場合、それぞれ、4.0×【10^4】【M^(-1)】、1.2個であった。本申請の高圧電源ユニットによる温度ジャンプ測定において、BSA-HABA系に単一の緩和過程が観測された。HABAのBSAへの結合のメカニズムを右のように考え、速度定数【k_2】、【k_(-2)】などを求めた。ここで、CはBSA(P)とアゾ型HABA(D)との複合体、C´はその複合体中のHABAがヒドラゾン型のものを示す。すなわち、HABAはBSAに結合して、アゾ型からヒドラゾン型へ異性化反応をすると考えた。イオン強度などを変えたいくつかの条件下で、温度ジャンプとストップトフロー測定を行なった。 イオン強度、0.014のとき、脂肪酸をとり除いたBSAへの結合において、【k_2】=0.70【s^(-1)】、【k_(-2)】=1.2×10【s^(-1)】、【K_1】(1段目の平衡定数)=3.9×【10^4】l/mol(以上25℃の結果)、△【H(^キ-2)】=380kJ【mol^(-1)】△【H(^キ-2)】=17kJ【mol^(-1)】、△【S(^キ-2)】=1.0J【K^(-1)】【mol^(-1)】、△【S^キ-(-2)】=-150J【K^(-1)】【mol^(-1)】であった。これらのパラメーターにも脂肪酸の有無の影響は明確に現われた。
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