Project/Area Number |
61540354
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
構造化学
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
樋口 泰一 阪市大, 理学部, 助教授 (40046868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福代 誠 大阪市立大学, 理学部, 助手 (20047088)
広津 建 大阪市立大学, 理学部, 講師 (10047269)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | ケイ素原子 / 小員環化合物 / 小員環構造 / 高ひずみ化合物 / 含ケイ素小員環化合物 / 有機ケイ素化合物 |
Research Abstract |
1.ケイ素原子を含む歪んだ小員環の構造や歪み、反応性をしらべるため以下の研究を行った。(1)4員環JAO1KAをもつ化合物1種、5員環JAO2KAやJAO3KAを別々にもつ化合物2種および4員環と5員環を共有するJAO4KA型スピロ化合物などの良質の結晶試料を作成した。(2)これらの結晶および分子の構造をX線回析法で、また3員環を含め、小員環につきMO計算、分子力場法による計算を試み環構造の考察を行った。 2.(1)4員環JAO5KAがスピロ構造を作っていない場合(フリー)の構造はスピロ型の場合と較べて、C=C,C-C,Si-C(=C)結合に有意の差が認められないものの4員環内の結合角が少しづつ異なり、Si-C結合が0.036【A!゜】長くなっている。(2)5員環JAO6KAは結合している原子団によってその形を異にし(平面型、封筒型)、その立体エネルギーの差が小さいことを示している。しかし結合距離や結合角には可成りの違いが見られる【(C=C)=0.038【A!゜】】LSi=3.7゜。LSiは立体的制約の大きいノルボラン型構造よりも四面体角に近づいている。スピロ化合物内ではほゞ平面構造をとっているが、立体制約の少ないフリーの場合には平面型か封筒型をとり得ている。(3)3員環JAO7KAは置換基により可成りの変化がもたらされる。空間的に大きな基のときにはSi-C結合が、C-C結合すら1.64【A!゜】と長くなっていることを見出した。C-C結合は実験(Seyferth),計算(Gordon)両値よりも可成り伸びており、LSiも52゜まで拡っている。(4)JAO8KAではC=C結合が從前の計算値よりも長く、2つのSi-C結合の長さに0.04【A!゜】の差異が見出された。短かい方の結合は芳香族置換基との間の非局在化を示している様である。43.5゜という最も小さいLSiの実験値を見出した。(5)JAO9KA環ではSi-C結合の長さは非環状化合物の値と同じく、水素置換体の計算値に近づく。(6)JAO1KAでは(5)の結合より長くなる。環外2重結合よりも立体反撥による様である。Si-Siの周辺の結合はJAO11KA特有のものである。
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