Project/Area Number |
61540397
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
天然物有機化学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 正昭 名大, 理学部, 助教授 (90093046)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1986: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | プロスタグランジン / PG;オータコイド / 3成分連結法 / PG【E_2】の合成 / PG【F_2】αの合成 / プロスタサイクリンの合成 / PG一般合成法 |
Research Abstract |
プロスタグランジン(PG)は特異な生理作用を有し生命維持の中枢ともいうべき循環器および消化器を中心とするオータコイドとして知られている。これらは生体内超微量成分であり天然からの採取が難かしく、したがって化学合成に基づくPG類の大量供給,ひいては確固たる分子設計に基づく新規類縁体の簡便な合成法の開拓が強く望まれてきた。 われわれは、このような状況下に、独自に収束的3成分連結法を編み出しPG類の超短段階合成法の確立をもくろんだ。その結果 (1) 本プロセスの要となるべき3成分連結法の案出に成巧した。すなわち有機銅共役付加反応で生成するエノラートに有機スズ化合物を用いてトランスメタル化を施こすとハロゲン化アルキルとの直接的アルキル化がスムーズに進行し、一段階でPG骨格の構築が達成された。 (2) 上記合成法によりPG【E_2】が3段階で合成され、立体選択的還元を行うことによりPG【F_2】αの効果的合成も達成された。 (3) 上記方法により一段階で5,6-デヒドロ-PG【E_2】が高収率で合成された。本化合物はプロスタサイクリン(PG【I_2】)を含むすべての第一次および第2次PG類一般合成法の鍵中間体となった。本プロセスにより、PG【I_2】がわずか5段階で合成された。 (4) 上記プロセスは天然のPG類のみならず、重要な人工類縁体の合成も可能とした。本プロセスにより臨床上重要と考えられるすべとのPGアナローグが短段階にて合成された。 本研究により所期の目標はすべて完遂できた。本研究成果の汎用性は大きく、その応用は拡大の一途をたどっている。現在、本プロセスを機軸としたイソカルバサイクリンの合成を手がけているが、成功はまちがいない。本研究費に大変感謝したい。以上。
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