同一試薬によるマスキングと協同効果を利用したランタノイド(III)の抽出分離
Project/Area Number |
61540429
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
分析・地球化学
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
長谷川 佑子 理科大, 理学部, 助教授 (20084303)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1986: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ランタノイド / 錯形成 / 協同効果 / 付加錯体 / ベンジル酸錯体 / アルファオキシカルボン酸 |
Research Abstract |
本研究の目的にあう配位子をみつけるため、【i】)安息香酸のオルト位とフェニル酢酸のα位にキレート生成可能の官能基をもつ酸との水相内錯体の安定度定数をpH滴定法により測定した。また、【ii】)水相内で安定度定数が原子番号と共に増加する錯体を作る配位子が有機相内でランタノイド(【iii】)キレートと付加錯体を形成して抽出を増加させるか、その付加錯体生成定数は原子番号の大きさとどのような関係にあるかを調べた。 【i】)安息香酸のオルト位に-OH基をもつサリチル酸,-O【CH_3】基をもつアニス酸-N【H_2】基をもつアントラニル酸との錯体の安定度定数を原子番号の関数として表わしたところ、その値もパターンも安息香酸錯体に類似しており、安定なキレートを作らないことがわかった。また、フェニル酢酸のα位に-【CH_2】OHをもつトロパ酸も同様であった。この結果はランタノイド(III)はカルボン酸とは安定な6員環を作らないためと説明できる。一方、α-オキシカルボン酸であるマンデル酸錯体の安定度定数は【i】)の各錯体の値よりずっと高く、しかも原子番号の増加と共に増加した。しかし、マンデル酸の-OHをこれより塩基性の高い-O【CH_3】におきかえたところ、安定度定数の値並びに原子番号の関数としてのパターンも安息香酸錯体と類似でサマリウム付近に極大値を示した。以上の結果から本研究の目的にあう配位子はα-オキシカルボン酸であり、キレート生成に関与しない基は電子をおしだす効果をもち、疎水性を高くする意味で炭化水素部分の大きいものがよいと結論された。 【ii】)疎水性の高いα-オキシカルボン酸としてベンジル酸を選び、β-ジケトンの一つであるPTAキレートとの付加錯体形成を【^(139)La】,【^(152+154)Eu】,【^(174)Y】b放射性トレーサーを使って調べたところ、抽出の増加は原子番号が小さいものの方が大きく、この増加分はPTAとベンジル酸の混合錯体に由来するものでなく付加錯体生成によることがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)