ポルフィリンの錯形成反応における分子錯体の生成と触媒作用に関する研究
Project/Area Number |
61540450
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
無機・錯塩・放射化学
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
田端 正明 佐賀大, 理工学部, 助教授 (40039285)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | ポルフィリン / メタロポルフィリン / 金属ポルフィリンの生成反応 / 反応速度 / 触媒作用 / 分子錯体 / 疎水性相互作用 / アミノ酸 |
Research Abstract |
ポルフィリンと金属イオンとの反応は他の配位子にくらべて【10^8】-【10^9】倍遅い。我々は亜鉛(11)と5,10,15,20-テトラキス(4-スルホナトフェニル)ポルフィン(【H_2】tSPP)との反応がアミノ酸{HA:グリシン(Gly),アラニン(Ala),バリン(Val),フェニルアラニン(Phe),チロシン(Tyr),トリプトファン(Trp)}によって促進されることを見出した。種々のアミノ酸の濃度,亜鉛濃度,pHにおける亜鉛-ポルフィリン錯体の生成速度より各種アミノ酸の触媒作用を調べた。その反応機構は亜鉛(11)-アミノ酸錯体でZn【A^+】はすみやかにポルフィリンと分子錯体(【I】)を生成する。中間体【I】から亜鉛がポルフィリン核へ插入する過程が律速段階である。従ってZn【A^+】と【H_2】tSPPとの全反応速度定数は【k_(ZnA)】=Kkとなる。ここでKは分子錯体の生成定数である。各種アミノ酸の触媒作用の速度定数(【k_(ZnA)】,単位=【mol^(-1)】【dm^3】【s^(-1)】)は1.59(【H_2】O),3.60(Gly),12.0(Ala),19.9(Val),43.0(Phe),52.7(Tyr),82.2(Trp)である。トリプトファンは反応を約50倍促進する。アミノ酸の触媒作用の速度定数の対数値はアミノ酸側鎖の疎水性パラメータと直線的に関係づけられた。即ちアミノ酸側鎖の疎水性が増大するほど図1に示す分子錯体が生成しやすくなり、亜鉛-ポルフィリン錯体の生成速度が速くなることが分った。本研究の結果は生物体中のプロトポルフィリン錯体の生成においても疎水性相互作用が重要であることを示唆している。
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Report
(1 results)
Research Products
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