高原子価錯体における各種気体分子の取り込み反応とその活性化反応
Project/Area Number |
61540454
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
無機・錯塩・放射化学
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
向田 政男 上智大, 理工学部, 助教授 (00053596)
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Project Period (FY) |
1986 – 1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | オキソ配位子の生成機構 / オキソ配位子の化学挙動 / ニトロ配位子の酸化機構 / 高原子価酸素錯体 |
Research Abstract |
1 ニトロシル錯体(〔Ruce(NO)(py)4〕【J^(2+)】)から酸素原子を配位する錯体(〔Ruce(o)(py)4【J^+】)が生成する過程を電気化学的手法により検討した。その過程は次の3段階にわけて記述できる: (1)式は既知の酸塩基反応であり、(3)式は単純な一電子反応である。それに対し(2)は検討の結果極めて復雑で酸化時の温度に依存する反応であることがわかった。すなわち室温では【〔Ru^(II)-NO_2〕^+】の電極酸化により直ちに【〔Ru^(II)-NO^+〕^(2+)】と【〔Ru^(III)-OH〕^(2+)】がほゞ等しい割合で生成する。酸化反応に要した電子数は約1.3であった。これに対し-40℃ではMeyerの機構(Inarg・Chem,19,1986,'80)に対応し【〔Ru^(III)-NO_2〕^(2+)】が【〔Ru^(III)-ONO〕^(2+)】へ異性化する反応を径由し最終的に【〔Ru^(II)-NO^+〕^(3+)】と【〔Ru^(III)-ONO_2〕^(2+)】を生成する1.5電子反応であった。前者の1.3電子反応は既知の研究にはないもので新らしい別の酸化機構が存在する事を意味する。なおこの様な配位状態にある【NO(^-_2)】の酸化反応の第一段階が金属サイトの電子移動(【Ru^(II)】→【Ru^(III)】)であることを合成化学的手法により明らかにすることが出来た。2 上記の酸素錯体(【〔Ruce(o)(py)_4〕^+】)における活性酸素のアルコール中における化学挙動を明らかにした。反応は先づ一電子還元種としてのヒドロキソ錯体(【〔Ru^(III)ce(OH)(py)_4〕^+】)を生成し、次にアルユキソ錯体(【〔Ru^(III)ce(OR)(py)_4〕^+】)が生成する。活性酸素はヒドロキソ錯体にとり込まれているがアルユキソ錯体には保持されていない事が【^(18)O】を用いる実験から明らかになった。 3 上記の酸素錯体と【SO_2】,NOおよび【NO(^-_2)】との反応は検討中である。 4 【SO(_3^(2-))】-を取り込んだ錯体(【〔Ru(SO_3H)_2(bp)_2〕】)の結晶構造解析は終了している。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)