Project/Area Number |
61540581
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
鉱物学(含岩石・鉱床学)
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
高島 勲 秋大, 鉱山学部, 助教授 (50163192)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1986: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 熱ルミネッセンス / 年代測定 / 変質岩 / 地熱探査 |
Research Abstract |
火山岩については、100万年前後、数10万年、数万年という3種類の試料について研究を進め、いずれの年代範囲でもある程度の誤差(±10%)で熱ルミネッセンス(TL)法による年代測定が行えることが確められた。結果の例を示せば、秋田・岩手県八幡平地域の玉川溶結凝灰岩類5個の年代が122万年〜169万年(K-Ar年代120〜200万年)、北海道登別の登別火砕岩の年代が47000年(【^(14)C】年代40,190年)などである。TL年代測定は、試料作製(測定対象となる石英の分離)-加熱処理-γ線照射-発光測定というTL強度測定系と試料が地質時代に受けた放射線被曝量評価という2つの面から成っている。このうち、前者については一定の注意を払って実験を行うことにより、再現性良く、かつ誤差も少い(1-3%程度)結果が得られることが確認されたが、後者についてはウラン、トリウムという分析技術の上で困難な元素を含むことから誤差が多く、前述の±10%というTL年代の誤差の大半はこの部分から生じている。なお、放射線被曝量の評価に関しては、α,β,γという異なった線源の寄与率の見積りという重大な問題があり、この点の解決が最も望まれている。また、火山岩の測定で最適試料として運ばれている班晶石英でも300℃以下のピークしか持たないものは測定不能である。これまで行った50個の測定では、そのような試料が20%程度あることが知られている。 変質岩のTL年代測定は、手法的には火山岩と全く同じであり、得られた結果が変質年代であるという点が異なるのみである。前述の八幡平地域では約60個の年代測定を行い、次のような結果を得た。(1)活発な地熱地域はすべて30万年より若い変質年代を示す。(2)地表の変質年代と地下の温度は一定の関係を有しており、変質年代が古ければ地下の温度も低い。(3)多くの地熱地域で古い変質帯と新しい変質帯が共存しており、地熱活動の重複が一般的な現象として認められる。
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