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¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
歯車性能の飛躍的な向上を計るには、歯車の歯形とインボリュート歯形にこだわることなく任意に選べるようにして、歯車設計の自由度を大きくすることが重要である。本研究は、新しく開発した歯形輪郭の計算法とNCI作機械を組合せて、任意歯形をもつ歯車が高精度で能率よく設計・加工できるシステムの実現を目指している。研究の結果をまとめると以下のようになる。 1.ボブ・総形フライスの二番面を研削するための砥石・輪郭、逆にその砥石で二番取り研削される工具の切刃形状を求めるプログラムを開発した。このプログラムは工具の切削性能向上のための工具すくい角,切刃溝ねじれ角,外周二番角を自由に設定できる。これにより、従来、経験と勘に頼っていた歯切り工具の製作行程を大幅に短縮可能である。また、工具のとぎ直しによる切刃の輪郭誤差も計算できるので、再研削限界も示すことができる。 2,製作した研削ヘッドは、NCフライス盤に取付けて、砥石軸を水平面内で自由に傾けることができるので、任意の歯形をもつ平・はすば歯車、ウォームの成形研削をはじめ、ボブ・総形フライスの二番面研削も可能である。砥石整形装置は、単石ダイヤモンド・ドレッサの向きを制御して研削ヘッドに取付けた砥石車を正確に整形することができる。砥石の寸法は、ψ200×20(mm),成形研削できる歯車の最大寸法は、外径250mm,歯幅100mmである。 3.上記の装置を用いて、m=5,z=15,β=25゜,b=40,420HBの粗入れ歯車の両歯面と歯溝底を同時に成形研削した。研削しろ0.1mmを粗および仕上げの2行程で研削し、歯形・歯すじ・ピッチ精度ともJIS0級、歯面粗さ0.5μmRmaxの歯車が加工できた。これは任意歯形の歯車にも適用できる。 4.今後は、上記の歯車と工具の歯形輪郭計算法とNC制御による万能成形研削盤を組合せて、使用分野に最も適した歯車装置に利用できる歯車歯形の研究・開発を進める予定である。
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