Project/Area Number |
61550116
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
機械要素
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
後藤 穂積 福岡工大, 工学部, 教授 (60026101)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1986: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | フレッチング摩耗 / 腐食環境 / 溶存酸素 / 純金属 |
Research Abstract |
腐食環境中フレッチング摩耗の機構を明らかにするため、空気中,蒸留イオン交換水中,3.4%食塩水中における純鉄,純銅の摩耗試験を行った。同種金属の組合せで、相対すべり量(片振幅120μm),接触荷重(3kgf)を一定とし、空気中では相対湿度(0-70%)を変数とした。また蒸留イオン交換水中、食塩水中では液中溶存酸素量(0.1-10ppm)と液温(10-40℃)を変数とした。実験結果からフレッチング摩耗に及ぼす水蒸気と水の効果の相違、両溶液中の溶存酸素の効果を調べた。また摩耗率に対する見かけの活性化エネルギの値を求め、炭素鋼や黄銅について先に得られている値と比較した。 空気中では、純鉄,純銅ともそれぞれ15,25%の相対湿度で摩耗量の極大値が現れ、それ以上では湿度の増加とともに摩耗が低下する。極大値出現の理由は、適当量の水蒸気が接触面に吸着して酸素の吸着を妨げ、凝着摩耗が優勢になるためである。つぎに蒸留イオン交換水中、食塩水中の摩耗量は、調べた溶存酸素量、液温の範囲内では、湿潤空気中の摩耗量よりも小さい。これは液体の潤滑効果で金属の直接接触が緩和されるためであろう。 純鉄の蒸留イオン交換水中の摩耗では溶存酸素の効果は明瞭でない。一方、食塩水中では溶存酸素量の増加とともに摩耗量はわずかに減少し、腐食摩耗に関する従来の実験事実と異なる。用いた接触荷重が大きいため、液体中でも腐食摩耗より凝着摩耗が優勢になったと考えられ、溶存酸素の増加と共に腐食成生物が接触面に堆積して凝着摩耗が減少するのであろう。 蒸留イオン交換水中,食塩水中における両金属のフレッチング摩耗量は液温とともに増加する。摩耗率に対する見かけの活性化エネルギは溶存酸素量の値によってあまり変化せず、数Kcal/molのオーダである。この値は先に炭素鋼,黄銅の摩耗で得られた値と等しい。今後、電気化学的手法でこれらの結果を考察していきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
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