光波の並列処理性を活用した実時間行列演算用光学系の高精度化とデイジタル演算化
Project/Area Number |
61550273
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
電子機器工学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
保立 和夫 東大, 工学部, 講師 (60126159)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1986: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 光コンピューティング / 光コンピュータ / 光波応用情報処理 / 光行列演算 |
Research Abstract |
筆者らが、従来提案し、研究を進めてきた"実時間多段行列乗算用光学系"に関して、光学系中の性能劣化要因を理論的・実験的に検討して、高精度化を図るための新しい構成法を開発した他、入力行列をディジタル化するためのコーディング手法を考案し、更に本光学系を用いて逆行列を求める手法を提案して、その基礎的な検討を行った。 光波応用情報処理の研究においては、近年の光デバイスの進歩とあいまって"光コンピューティング"ということばに代表される新しい研究分野が形成されている。この中で、光の持つ最大の特徴である"並列情報処理性"を活用したものとして、行列の乗算法が活発に研究されている。筆者らは、これまでに行列を2次元空間光変調器の透過光強度分布として与え、それらの乗算を実行して、答をやはり2次元・行列状の光強度分布として与える光学系を考案した。昭和61年度は、この系に関して以下の研究を行った。まず、3個以上の行列の積を得る際に精度制限要因となる一方向拡散板に関して、理論的・実験的に検討し、精度限界を明らかにした。更に、行列要素間の漏話量と受光器の信号対雑音比等で決る演算精度と演算速度、行列の大きさの限界等を示した。アナログ演算ながら、100次正方行列程度の多段乗算が可能であることが分った。また、本光学系の入力行列要素は、1あるいは0の透過率を持つ空間光変調器の複数の小開口を用いてコーディングすることで、ディジタル化が可能であることを示し、基礎実験にも成功した。精度制限要因である一方向拡散板を用いることなく3個似上の行列積が得られる新しい光学系として、光源に2次元LEDアレーを有する構成も考案し、基礎実験系を得て演算に成功した。この他、これら光学系を応用して逆行列が得られる可能性も示すことができた。以上の成果は、Applied Optics誌2編、国際会論2回の他、研究会等でも発表した。
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)