量子井戸半導体レーザのピコ秒ダイナミックスに関する研究
Project/Area Number |
61550274
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
電子機器工学
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒川 泰彦 東大, 生産技術研究所, 助教授 (30134638)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榊 裕之 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90013226)
藤井 陽一 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00013110)
|
Project Period (FY) |
1986
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | 半導体レーザ / 量子井戸レーザ / ピコ秒光パルス発生 / 誘導放出過程 |
Research Abstract |
本研究では半導体レーザ、特に超薄膜構造を有する量子井戸レーザにおける超短光パルス発生技術の基礎研究をおこなっている。量子井戸レーザは、低閾値電流密度が得られること、変調帯域幅が増大すること、スペクトルライン幅の広がりが抑制されることなど多くの特徴を有することが明らかにされている。本研究者は先にこのレーザにおいて二重電極構造を導入し、増幅器部と変調器部を形成することにより、高能率な能動Qスイッチング動作が実現できることを初めて示し、18.6ピコ秒の繰り返し周波数を達成した。 本年度は、まずパレス幅のほかにもうひとつ重要なパラメータである繰り返し周波数の限界を明らかにした。理論的検討の結果、デバイス構造の最適化をおこなうことにより12GHz程度期待できることが明らかになった。一方、実験結果としても、5.2GHzのオン/オフ繰り返し周波数を達成した。また、損失変調の電力およびバイアス電圧を変えた時の発振スペクトルの移動も観測し、その機構を明らかにした。 さらにこのような二重電極構造量子井戸レーザにおけるダイナミックスを、さらに基礎的に解明するために、量子井戸レーザのピコ秒領域における誘導放出過程の究明をおこなった。すなわち、モード同期とAGレーザによって励起された色素レーザにおいて生ずる2〜10ピコ秒の光パルスを用いて、量子井戸レーザを光励起し、その光出力をストリークカメラおよび非線形相関器を用いて観測した。量子井戸レーザでは状態密度の変化に伴い利得幅が狭まり、その結果、微分利得の増大がもたらされる。この微分利得の増大が極短光パルス発生にきわめて有用になる。理論的検討をおこなった結果、通常の半導体レーザと比べて、1/4程度の光パルス幅が期待できることが明らかになった。また、ストリークカメラによる観測においても、最小18ピコ秒のパルス幅を観測するとともに、条件を変えながら観測することにより理論予測を支持する系統的な結果を得ることができた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(8 results)