圧電結晶板のエッジ(端部)振動を利用した超小形且つ高安定の圧電振動子の実現
Project/Area Number |
61550286
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
電子機器工学
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Research Institution | Fukushima National College of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 博 福島工高専, その他, 助教授 (90175117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鴨沢 勅郎 福島工業高等専門学校, 電気工学科, 助教授 (70042413)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 圧電振動子 / タンタル酸リチウム / エッジ振動子 |
Research Abstract |
本研究の目的は、有限幅の薄い圧電結晶板に存在するエッジ振動という特殊な振動モードを利用して、高Q、高安定で且つ超小形の圧電振動子を開発することにある。本研究では、近年、周波数温度特性の良好な圧電結晶基板として注目されているタンタル酸リチウム(LiTa【O_3】)板の場合についてエッジ振動の理論解析を行い、その機械的及び電気的諸特性を明らかにすると共に、実際にエッジ振動子の試作実験を行い、その高Q、高安定化及び超小形化を追求した。本年度は下記の如き研究成果を得た。 1.LiTa【O_3】板は、弾性的に異方性を有する結晶基板であるため、切断方位によって振動モードが変化し、伝搬モードとの結合による振動エネルギーの損失即ち共振尖鋭度Qの低下を招く。LiTa【O_3】板についてエッジ振動の理論解析を行った結果、モードの対称性、共振尖鋭度及び周波数温度特性に関してYZ(-50゜,90゜)板が振動子基板として最適であることが分った。2.X軸(電気軸)に長辺を持つYZ基板では、エッジ振動以外に板幅に基づく幅縦振動が強勢に励振されスプリアスとなる。これを抑圧するため、振動子の励振電極形状を工夫し、新たに7種類の電極形状を考案した。実験の結果、これらの電極形状の中でリード電極の引出方法を改良した電極形状Gが最も良好なスプリアス特性を示すことが分った。 3.YZ基板を用いて上記電極形状Gのエッジ振動子を試作し、その電気的諸特性を測定した。その結果、共振周波数【f_0】≒1.5MHZに対して共振尖鋭度Q≒15000,容量比γ≒110,共振周波数の一次温度係数α≒16ppm/℃の特性が得られた。 4.振動子基板は、板幅2H≒1.6mm,板厚2t=0.2mm,長さl=18mmストリップ状となり、1.5MHZの振動子としては従来のものに比し大幅な小形化が実現された。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)