混合セメント利用によるアルカリ骨材反応抑止のメカニズム
Project/Area Number |
61550336
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
コンクリート工学・土木材料・施工
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大門 正機 東京工大, 工学部, 助教授 (10016579)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | スラグ / 高炉水砕スラグ / アルカリ骨材反応 |
Research Abstract |
スラグのアルカリ骨材反応抑制効果には、稀釈効果以外の固有の抑制効果があり、コンクリート中における骨材反応量が顕著に低下している。スラグの水和により、コンクリート中の固相水酸化カルシウム量および液相水酸化カルシウム濃度が低下するために、生成ゲルの流動性が大きくなり、このことがアルカリ骨材反応による膨張を抑制するメカニズムであると考える説もあるが、本研究の一連の試験結果はこの説を支持するものではない。 反応が抑制されていることは、薄片の顕微鏡観察によっても、選択溶解法の測定結果からも明らかであるが、反応は骨材表面全体から均一に進行するのではなく、骨材内部に亀裂を貫入しながら不均一に進行している。均質な化学組成を有するパイレックスガラスを骨材として使用しながら、このような実験結果を得たことは、アルカリ骨材反応による膨張メカニズムに関して有意義な知見となると考えられるが、今後の充分な検討が必要である。 反応抑制効果としては以下の3点を挙げることができるが、すべての効果が相乗的に現われていると考えられ、いずれが特に優勢であるかは未だ明らかではなく、その情況は試験条件によって変化しているかもしれない。 (1)稀釈効果 混入率を50%にするとかなり過酷な条件下においても著しい膨張抑制効果を示し、稀釈効果以外の積極的な抑制効果が存在することは明らかで、特にスラグ混入率が大きい場合にこの作用は著しい。 (2)吸着固定化効果 未反応スラグへ吸着はほとんどないとしても、水和生成物は、クリンカー化合物からの生成物より低C/S比となり、アルカリイオンなどの吸着量はいくらかでも大きくなるはずである。 (3)移動抑止効果 スラグを含むコンクリート中におけるアルカリイオンなどの移動速度は遅い。この効果もスラグのアルカリ骨材反応抑制効果一翼をになっているにちがいない。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)