反強磁性MnNi合金におけるFCCFCTFCO逐次構造相変態の回折結晶学的研究
Project/Area Number |
61550478
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical properties of metals
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
入戸野 修 東京工大, 工学部, 助教授 (40016564)
|
Project Period (FY) |
1986
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | 反強磁性 / マンガン・ニッケル合金 / 形状記憶効果 / マルテンサイト変態 / 表面起伏 / 遂次構造相変態 |
Research Abstract |
反強磁性MnNi合金におけるFCC-FCT-FCO遂次構造相変態に焦点を絞り、相変態過程における巨視的および微視的な内部構造変化をX線・電子線回析結晶学的手法を駆使して詳細に調べ、相変態機構について考察した。以下に交付申請書に記載した研究計画に対応させて簡潔にまとめる。 1.表面起伏変化を微分干渉顕微鏡で連続観察した結果、温度変化に対応して可逆的な表面起伏変化が観察され、これらの相変態が無拡散変態、つまりマルテンサイト変態であることが明らかにされた。 2.X線回析による温度変化に伴う格子定数の精密測定の結果、これらの相変態は極めて2次相転移に近い挙動特性を示し、各相変態での体積変化も極めて小さく、変態温度履歴も小さいことが明らかにされた。 3.相変態過程での微視的な構造変化を電子顕微鏡内でその場観察し、マルテンサイト変態で誘起された微細双晶の温度変化に伴う消滅・発生の特徴が2次相転移の特徴との対比で検討された。また、磁気変態に起因すると思われる微細構造変化が一部の試料で認められることもわかった。以上の実験結果を基にして、遂次構造相変態を説明する格子変形モデルが提唱された。このモデルは、電気抵抗変化の特徴および後述する磁気抵抗の測定結果を十分よく説明できるものである。 4.相変態に関係した磁気抵抗の測定では、MnNi合金板を磁界中で加熱冷却し、変態に及ぼす磁気効果を調べた。この研究は現在進行中であり、反強磁性材料の電気抵抗変化に関する理論的研究との対比からも興味ある結果が得られている。今後は、磁界を増大させるなどして、さらに精度の高い実験を行うことを計画している。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)