セラミック薄膜の状態分析とセラミック-金属間結合に関する研究
Project/Area Number |
61550543
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
溶接工学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
巻野 勇喜雄 阪大, 溶接工学研究所, 助手 (20089890)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1986: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ジルコニア / RFスパッタ薄膜 / XPS / ESR / 非晶質 |
Research Abstract |
近年、機能性セラミック薄膜は電子材料や熱遮蔽材料などとして多方面の分野に利用されている。これらの薄膜の作製にはスパッター蒸着法,プラズマ溶射法など種々の方法が用いられている。シルコニア系セラミック薄膜は高屈折率、高反射率などのすぐれた光学特性のほかに、熱的機械的にも良好な性質をもつことから種々の分野で注目されているセラミック材料である。これらのセラミック薄膜を所望の材料として使用するには、その熱的特性や構造に関する情報を得ておく必要がある。本研究ではRFスパッター法により作製したZr【O_2】-【A1_2】【O_3】-【Y_2】【O_3】薄膜の熱的性質および構成原子の状態を光電子分光法などにより検討した。 RFスパッター法により作製した本ジルコニア薄膜は非晶質と同定され、850℃、20分程度の熱処理をうけても結晶化しないことが明らかとなった。一般に結晶化すると透光性が劣化し、光学材料として使用できないので、本ジルコニア薄膜はかなりの高温まで使用可能であることが指摘される。光電子分光および電子スピン共鳴分光法により本ジルコニア薄膜には酸素空孔に捕獲された電子の存在がみとめられた。また、非晶質状態ではジルコニウムイオンは通常のジルコニア中のものに比較して部分電荷が高い状態にあることが示唆された。 本ジルコニア薄膜は結晶化すると若干塩酸に対する耐食性の向上がみとめられた。また、本薄膜の誘電損失は結晶化により著しく減少することが示された。
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Report
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Research Products
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