Research Abstract |
1.水溶性メソ置換ポルフィリンの合成 遷移金属以外にAl,Fe,Mg,Mo,Ti,W,希土類など多くの金属イオンと錯形成する水溶性ポルフィリンとして、5-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-10,15,20-トリフェニルポルフィンスルホン化物(SDHP),5-〔5-(8-ヒドロキシキノリル)-10,15,20-トリス(4-スルホフェニル)ポルフィン(HQSP),5-(3-カルボキシ-4-ヒドロキシフェニル)-10,15,20-トリフェニルポルフィンスルホン化物及び5-(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)-10,15,20-トリフェニルポルフィンスルホン化物の4種を合成した。 2.ポルフィリンの性質及び金属性イオンとの反応性 合成した上記ポルフィリンはいずれも水に易溶で、その吸収スペクトルにはポルフィリン特有のソーレー帯,Q帯が認められた。いずれのポルフィリンも予期した如く種々の金属イオンと容易に錯形成したが、反応性の面ではSDHP,HQSPが他の二者よりも優れていた。SDHP,HQSPはCd,Cu,(【II】),Hg(【II】),Pb,Pd,Znなどにはポルフィン環内で、Al,Cr(【III】),Fe(【III】),Ga,In,Ln(【III】),Mo(【VI】),Sc,Ti,W(【VI】),Y,Zyなどとはポルフィン環外で錯形成することがわかった。 3.超微量金属定量法の確立 合成したポルフィリンのなかで超高感度呈色試薬として最も優れていたSDHPを用いる各種金属の高感度(1けたppb濃度の)定量法を確立した。即ち、ポルフィリン環内での錯形成を利用するCd,Co,Cu,Mn,Pb,Pdの0次及び2次微分吸光光度定量法,並びにポルフィリン環外での錯形成を利用するAl,Fe,Ma,Ti,Wの0次及び2次微分吸光光度定量法を確立した。
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