銅モノオキシゲナーゼモデルとしての銅・酸素錯体の合成とその反応機構の解明
Project/Area Number |
61550588
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
諸岡 良彦 東京工大, 資源化学研究所, 教授 (70016731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北島 信正 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (20177843)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 銅モノオキシゲナーゼ / 銅・酸素錯体 / オレフィン酸化 / 酵素モデル |
Research Abstract |
本研究では銅モノオキゲナーゼの活性酸素種のモデル錯体として2核銅μ-オキソ,2核銅μ-パーオキソ,単核スーパオキサイドを、またこれらの酵素の変性体の構造モデルと見なし得る銅カルボニル,アジド,アルコキサイド錯体の合成を試み、そのうちの大部について合成・単離に成功した。配位子としてヒドロトリス13.5-ジメチル トを用い新規に合成した銅(【I】)ホスフィン錯体を塩化メチレン中でヨードソベンゼン酸化することにより、これ迄単離例のない2核銅(【II】)μ-オキソ錯体を合成することに成功した。この錯体の溶液中での磁気的性質を詳しく検討し銅と銅の間に強い磁気的相互作用の存在することを明らかにした。またその反応性を検討し、トリフェニルホスフィンを容易にトリフェニルホスフィンオキサイドへ酸化すること、二酸化炭素と反応しμ-カルボナート2核銅錯体を与えることなどを見い出した。この錯体に光照射すると銅-酸素結合が切れ酸化能を有す中間体を与え、シクロヘキセンおよびジメチルスルフィドをそれぞれシクロヘキセン-1-オール,ジメチルスルホキシドへ酸化することが明らかとなった。2核銅μ-オキソ錯体を低温で等量の過酸化水素と反応させるとμ-パーオキソ錯体と考えられる紫色の結晶を得ることができた。この錯体は室温では容易に酸素を放出しμ-オキソ錯体へ戻る。溶液中でシクロヘキセンと反応させると低収率ながらシクロヘキセンオキサイドが得られた。一方単核銅錯体の合成を目的に新規なかさ高い三脚型窒素配位子、ヒドロトリス(3,5-ジフェニルピラゾリル)ボレイトを合成し、これまで余り合成例のないカルボニル,アジド,アルコキサイド錯体の合成に成功した。以上の成果は銅モノオキゲナーゼの構造・反応機構に重要な知見を与えるものと期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)