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¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
本研究は、1.キラル酸素添加酵素モデルとしての高活性錯体触媒の決定のため、ピリジン誘導体、フタロシアニンおよびポルフィリンのパイ共役配位子を有するマンガン,鉄,コバルト等の【II】または【III】価錯体の酵素モデルとしての活性および挙動について、3,5-ジ-t-ブチルカテコールまたは3-メチルインドールの酵素分子添加環開裂反応より調べた結果、(1)パイ共役配位子は基質単座配位酸素付加金属錯体中間体の安定化に不可欠であり、フタロシアニン〜ポルフィリン>ピリジン誘導体の安定化序列を示し、マンガン錯体が高活性であった。(2)基質-金属錯体酵素モデル-酸素系はg値2.003〜2.017の電子スピン共鳴スペクトルを示し、基質ラジカル、活性化酸素(あるいは高スピン金属イオン)の存在を示唆した。2.高活性酸素添加酵素モデルとしてマンガン(【II】)ポルフィリン錯体を選び、(1)キラルポルフィリン配位子としてエカトリアル型およびアキシャル型α,α,α,α-5,10,15,20-テトラ(キラルアルキル)ポルフィリンのアルキル部位に光学活性アミン(l-(-)-メンチルまたはα-(+)-α-メチルベンジルアミン)を導入したものを合成し、ラセミ体DL-N-アセチル-トリプトファンメチルエステルの立体区別酸素添加インドール環開裂反応を25℃,THF中で行なった結果、バスケット型α,α,α,α-キラルポルフィリン錯体は嵩りのある基質の配位を抑制して不活性であった。(2)エカトリアル型マンガン(【II】)キラルポルフィリンでは薄層クロマトグラフにより分離した未反応基質の円偏光二色性スペクトル解析により算出した反応速度定数比D/Lはキラル部位がl-(-)-メンチルで1.10〜1.13,d-(+)-α-メチルベンジルで1.05〜1.08となり、また環開裂酸化生成物もキラリティを示したことから、明らかに上記キラル酸素添加酵素モデルにより基質立体区別酸素添加触媒作用が発輝された。
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